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映画「幼い依頼人」イ・ドンフィ&ユソン

2020-08-07 17:49:32 | 映画(韓国映画)

映画「幼い依頼人」は2020年の韓国映画


「幼い依頼人」はいかにも韓国映画らしい酷い映画である。7歳の実弟を殺したと告白をした10歳の少女が本当のことを言えない状況に、その真実を明かすために弁護士が奔走する姿を描く。2013年に韓国で発生した継母児童虐待死亡事件の実話を基にしている。

ロースクールを卒業してジョンヨプ(イ・ドンフィ)は何度も就職に失敗し、姉の勧めで臨時に児童福祉館に就職する。ある日、継母のジスク(ユソン)から虐待を受けている姉弟10歳のダビンと7歳のミンジュンに出会い家庭の事情をきく。しかし、家庭のこまかい事情には突っ込めない。連絡先を姉に告げて去る。


しばらくして、ソウルの法律事務所に就職したジョンヨプは電話を受ける。虐待でダビンの鼓膜が破れたことを知る。ジョンヨプは継母からダビンを引き離そうとするができない。そうしているうちに、弟ミンジュンが死亡する事件が発生する。自分が殴り殺したと自白した姉のダビンが被疑者となる。何かを言いたそうで言えないダビンを見て衝撃を受ける。ジスクのもとに送り返されたダビンの命を守り、虐待の真実を明かすため、ダビンの弁護士になることを決心する。


⒈児童虐待
弁護士資格を取得したにもかかわらず、児童相談所の相談員になるという設定に驚く。韓国の就職事情はここまで厳しくなっているのであろうか?どうも韓国ではロースクール制度で弁護士が急増したという事情があるようだ。

とはいうものの、児童相談所の相談員になったからには、虐待の情報には毅然と対応しなければならない。でも、一旦引き取っても親に戻さなければならない。この辺りは日本と共通であろう。家庭に戻した後に酷い事件が日本でも起きている。子どもから通報があって対応しても、母親からそんなことやっていませんとちゃんと育てていますと言われたらそれで終わり。この辺は辛いね。


継母の虐待に対して、父親である夫は完全に無関心。似たもの夫婦というけど、日本の児童虐待事情も似たようなものだろうか?

⒉ユソンの虐待
美人の継母が登場して、なごやかな夕食風景で始まる。ところが、息子は箸の使い方が下手クソですぐ食べものを落としてしまう。継母は徐々にムカつく。顔つきが鬼のようになっていく。そんな時、この継母は見たことあるぞと気がつく。その直感、しばらくして確信に変わる。映画母なる復讐でレイプされた後、泣く泣く死んでしまった娘の復讐に立ち上がったユソンである。


レイプ場面を撮影していた映像を見せびらかすぞと言って少女を脅迫するこの映画はなかなかきわどかった。怒りをあらわにして、ナイフを振り回す母親ユソンの姿が印象的だ。

この映画を覚えている韓国人は多いだろう。今度はユソンが真逆の立場になることに意外性を感じたのではないだろうか?この起用はキャスティングの勝利である。

ちょっとした子どもの不手際にもムカついて強烈な体罰を喰らわす。まあ、よくもまああの手この手でいじめまくるなと驚く。ある意味、この暴力的なところがいかにも韓国という感じがする。



⒊韓国のプライバシー
弟は継母の虐待により殺されてしまったと言ってもいい状況なのに、継母からあんたがやったと言えとされる。結局弟が亡くなったのは自分がやったせいだと自白する。マスコミは大騒ぎだ。

本人だと特定される。近所から白い目で見られても遠方に引っ越すわけでもない。プライバシーは守られないのであろうか?しかも、こういう凶悪事件を犯したら普通は施設に入れられるよね。自宅には帰らないと思うけど、韓国は違うんだ。

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