優勝レポ&MVP 俊輔の手にしたもの

2007-04-24 | 俊輔

スコットランドプレミアリーグ06-07 第34節
キルマーノック(H)vsセルティック(A)@ラグビーパーク  1-2 
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MVPを受賞したことよりも、チームが優勝することが一番。
いかにも俊輔らしいコメントだ。

この日、勝利すれば優勝が決定するセルにとって大事な一戦だった。
スコットランドプレミアリーグではシーズン終了前最終5試合を、
33節までの成績上位6チーム、下位6チームに分け、
そのグループの中での総当り戦となる。
つまり、順位を争う直接的なライバルとの対戦となり、
残り試合、組合せによって有利なチームはない。
ここのところCL等の影響で大きく調子を落としていたセル。
2位以下大きくリードしていたとは言え、
決して油断の出来るほどのチーム状態ではなかった。

是が非でもここで優勝を決める。
少なくとも、俊のプレーにはその意思をしっかりと感じることができた。
序盤から試合をコントロールしていたのはセル。
いつものように右に拘ることなく走り回る俊。
俊自身もゴールを狙うなど積極的な姿勢を見せていたが、
なかなか決定的な攻撃は生まれなかった。
それでも先制したのはセル。俊のCKにヘッセリンクが頭で合わせた。
とるべき選手が得点を決めたことで、
これで勢いがつくかと思われたが、
中盤での凡ミスも多く(グラベセンの禿めw)前半は結局1得点。

後半もピリッとしない時間が続き、
ついには同点弾を許す。DFの軽さから完全に崩され失点
ややホームのキルマーノックの攻撃が勢いづく。
セルはマクギを投入したが、攻撃は活性化されない。
俊は中盤の底から組み立てに行くものの、
バックからタックルを受けるなど、
執拗なマークにスピードアップが出来ない。

俊とは相思相愛のヤロシクが投入され、
終盤徐々にセルが調子を上げてきたが、残る時間は少ない。
すると、右でボールを持った俊が相手DFに囲まれ必死にキープ。
するとたまらず相手はファール
PKエリア外、やや角度のあるところからのフリーキック。
”最後のチャンス”にスタジアムの、またはテレビの前のファン、
そしてフィールドに立つセルティック選手達も祈っていたに違いない。
何度も目の当たりにしてきた左足の奇跡を信じて。

壁はかなり近く、素人目にはかなり難しいコースに見えた。
左足が振り抜かれると、やや低めの弾道で一瞬にしてボールはゴール左隅へ。
まるでPKのようだ―バッジオの言葉が思い出される。
うーん俊はPKの方は得意じゃないけど(苦笑)

時間は93分を回っていた。
誰もがセルティックの優勝を確信した瞬間だった。
ゴール裏にユニフォームを振りまわし飛び込む俊。
あんな姿、10年間見たことないよw

俊輔のセルティック移籍が決定したとき正直複雑な思いだった。
でも俊自身はしっかりとスコットランドでは、
自分に足りないものが見つかるとわかっていたんだよね。
キルマーノック戦、どんなに執拗にマークされても倒れず前へ進む姿があった。
不器用に取材に答える姿は日本にいたころと何も変わらないけど、
精神的にもプレーもずっとずっと太くなった。

JリーグMVPに続き、スコットランドリーグMVP本当におめでとう。
そしてリーグ連覇おめでとう。
もちろん目に見える称号は本当に素晴らしいけれど、
間違いなくセルティックの中心選手として仲間に認められている姿、
沢山のセルティックファン達を笑顔にしているプレー、
闘う中でカカやC・ロナウドといった世界一の選手達とお互いを認め、
尊敬しあえる関係を築いてきたこと、
それらはどんな称号よりも価値があるんじゃないか。
ファンにとってもそれを感じられた今季は最高のシーズンだった。
来季、俊がどんな選択をするのか知る術もないが、
どこにいても進化を追い求める。
それだけは10年前もそしてこれからもずっと変わることはないだろう。
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俊輔包囲網―ミラン戦雑感(欧州CL決勝T第一戦)

2007-02-21 | 俊輔

見所は、ミラーの三つ目がとおるのような絆創膏くらいか(苦笑)
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いよいよはじまりました欧州CL決勝トーナメント
セルティックパークでの第一戦。

結果から言えば0-0のスコアレスドロー
内容も終盤を除いては、ミランペースだった。
ボランチには守備的なレノンとスノ。
ヘッセリンクの相方には、リーグ戦で好調なビーティではなくミラーを起用。
個人的には疑問だったんだけど、CL予選で結果を出しているという
実績からの起用だろう。

序盤からミランにボールを回される。
中盤のスペースを埋められうまくボールを回せないセルティック。
ミランからすれば、セルティックの攻撃の起点がどこかなど、
容易にわかることで、俊輔の右、マクギの左を常時2、3人のDFが
つく組織的な守りで封じられ、なかなか攻撃の形を作れない。
俊も孤立する場面が少なくない。
セルティックの中でも今では珍しいが、
俊にあまりパスしようとしないスノが起用されていたのも一因か。
意識的なのか、余裕がないから中央にしか出せないのか(苦笑)
ボールを持った時の俊の動きもアイディアも良かっただけに残念。
序盤のDFとGKの間に落ちたFKは惜しかった・・・
ヘッセリンクがもう半身出せれば一点だった。
ヘッセリンクのポストもあまり良くなかった。
第2戦に向けて、彼のコンディションを上げることが第一かも。

選手交代も含め、終盤は積極的に攻撃をしながらも、
ミランの”演技”も含め、うまくイタリアサッカーに守られてしまった。
CLはリーグの特色がよく表れるから面白いね。
しかしミランもなかなか落ちつかないプレーだった。

ホームの利を活かしたかったセルティックだったが、無得点に終った。
しかしこれは悲観する結果ではないと思う。
アウェイゴール方式の中では、ホームでいかに無失点に抑え、
アウェイで得点するかが重要となってくる。
グループリーグでのマンUとの対戦がそれを物語っている。
正直、ミランとは大きく実力に差がある。
リーグ戦でも好調とは言えないセルティックがどこまでミランの攻撃を
防げるのか期待よりも不安の方が大きかった。
ベストではないということもあり、
今日の試合ではミランもほとんどいい形での攻撃を出来ていなかったのは、
相手にもスキがあるということ。
今日はとりあえず、無得点をマイナスに考えるより、
第2戦にむけ無失点だったということをポジティブに捉えてもいいかなと。

では第2戦アウェイでいかに得点するか
やはり攻撃的に行って欲しいかな。
相手が読めないプレーという意味では、グラベセンを起用するとか。
もしくは前線にツインタワーを並べるとか。
攻撃の起点をなるべく多く作りたいし、俊やマクギを囮にしても良い。
ミランに比べるとどの選手を使うかということにおいては、
オプションが多いと思うので、第2戦は楽しみでもある。
まずはリーグ戦でFW陣に調子付いてもらわねば。

ホームでは強いが、アウェイではもっぱら弱いと言われるセルティック。
第2戦の最大の敵は、そのジンクスだ。
しかしジンクスは選手達の精神的な強さでいくらでも打ち破る事はできる。
第2戦はジンクスを破るとともに、ベスト8を決めてくれることを願う。
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