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花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

母の洋服

2019年12月02日 09時24分10秒 | 母を想う


断捨離 難しいことですね
母が亡くなってもう30年以上経ちました
でも母の洋服箪笥の整理もなんども眺めて手懸けたもののなかなか出来なくて
和服を好み洋服にも充分気を使っていた母の事です
洋服の仕立ても和服感覚で
先ず品質の良い生地を選んでデザインも注文多く
仕立ても良い洋服ばかりです
母が外出したとき何時も出会った周囲の誰かに褒めて頂いていたようです
幸せなお洒落なお年寄りに見えていたのでしょう

昨日はそんな母の冬物を整理しました
何度も何度も躊躇しながら心が重くなるのです
でも仮に私がこの世を去るまで大切に仕舞っていたとしても
誰が喜ぶと言うのでしょう
荷造りをして
お仏壇に灯りをともして線香を焚いて
母にはお詫びと報告をしました
決してこころが軽くなるものではありませんがお許しください
お母さん
またあちらの世でお会いした時にゆっくりお話しさせてくださいね





驚くではありませんか
師走というのに こんな花が咲いています



5月ころに咲くサツキの花です



枝伐りした芙蓉に新しい芽がでて葉を繁らせて
こんなに小さな芙蓉の花が咲きました



優しさをありがとう

2019年10月03日 10時56分28秒 | 母を想う



お茶の花がしずかに咲いていました
小さなつぼみがついていましたがこんなに早く咲くのですね

私思い出します
「下を向いて咲く様子がとてもいい」と亡き母が優しい笑顔で言ったのです
あれからもう30年以上も経っていますのに

私思うのです
これまでに母のように優しい笑顔をしてきたかしら
私が母におもっていたように
傍に居たら安心と
誰かに思って貰えたことあったかしら





今年は遅いとおもっちた彼岸花ですが
今精一杯咲いています


あの時言いたかったこと

2019年08月04日 09時34分42秒 | 母を想う
今日も真夏の暑さ35℃と予報されています
涼しくして過ごしましょう
昨日近くのコンビニでアイスキャンデー買って来ました
ブログで教えて頂いていたものです
午後の暑い時間帯に楽しみたいものです







でも何と平和な日々ですこと
私はふとどうしようもない70年以上も以前のことを鮮明に思い出すのです
昭和20年8月4日のこと
この日は未だ幼なかった私にとっても忘れ難い日になっています
戦死した父の遺骨が帰って来て
戦時下で空襲を繰り返す悪状況の最中に
それでも集える親類縁者で法要をしたのです
その夜母がこれまで私が見たこともない綺麗な髪飾りなどを拡げて
私に言ったのです
こんなにきれいなものはもうどんなお店に行っても買えないものばかり
どれでも好きなものを選びなさい
そしてそれを持って
ここにいたら毎日空襲があって危ないから
明日の朝早く小父叔母と兄と一緒に疎開先に帰りなさいと

私は涙がいっぱい溢れてことばにもならないのです
あのときに私が言いたかった本当のことは
「どんなにきれいなものでも私は要らないから
今はただお母さんと一緒に此処にいたいだけ」

それなのにあくる朝早くに小父叔母と兄に連れられて
私は母の家を出発したのです
その二日後 8月6日に原爆で全焼してしまった家です


母からの

2018年10月17日 10時03分39秒 | 母を想う

随分昔のことです
母は私が持っている着物を見て“いざというとき”に困るからと言って(というのは
私が持っている着物が幼げな若者風と言う意味だったようです)
加賀友禅の付け下げの着物を買ってくれたのです
私は母が言う“いざというとき”とはどんな時のことだろうかとおもったものです
たとえば息子の結納のようなときかな
そんな時にはもう自分が健在でないかも知れないから
私が困らないように準備をしてやらなくてはと思ったのかもしれない
私はその頃はよく母のお伴をして着物を着こんでお茶会にも出かけたものです

でもそうは言ってもその後に母は受験生の子供を持つ私に対して
陣中見舞いといって絞りのきものも買ってくれたのですが
それだって結構綸子の地に赤や紺色黄色の小花が染められた絞紋様で
若い年代から着れるものでした
だから母にとって私は何時までも子供のままだったのかなと

今年も文化祭で詩吟に出場する際皆さん和服を着らます
今年は母からプレゼントされた加賀友禅の付け下げを着ようかとおもっています
これも〝いざというとき“になるものかどうか





他の山茶花よりひと足早く咲く花です
一輪だけ咲きました
母が亡くなった朝にも咲いていました
悲嘆の涙をして見つめたものです
もう散るかも




いつのまにか

2018年10月08日 10時11分07秒 | 母を想う
友禅染を思わせるような可愛い菊の花が
いつのまにか咲いていたのです
今年の夏はいやに暑い日の連続でその上に雨がよく降って
我が家の狭い裏庭にはどうしようもなく草が繁ってしまいました
夜明けを待って今朝は草取りを少しだけ
でもまだまだ草が沢山に私を嘲笑っているのです



ふとやさしい気分になれました
あの菊が咲いていたからです
来年はもっと花も葉も大きく育てたいです


今年は遅いと思っていましたが金木犀の花あっという間に満開です
馨しい香り待っていたのです




山茶花のつぼみがふくらんでいます
この山茶花はピンク色のつぼみですが花がひらくと真っ白く
やわらかな八重の花になります





母が亡くなった朝にこの山茶花が一輪だけ咲いていました
その年の最初に咲いた一輪でした
私にとってそのときは母の死が世の中にこんなにも悲しいものかと
打ちひしがれるような悲嘆のときでした
静かな夜明けに咲いたその花をみて
この花は母を見送る花なのかな
いいえあちらの世からお迎えの花なのかなと
私にとってはいづれにしても悲し過ぎることでした
でもあれから30年経ちました
毎年同じようにこの山茶花は咲いています
母から与えられた数々の慈愛を思い起こしながら今日があること
とてもとても大きな感謝です
それなのにこんなことを想うとどうしようもなく涙が出て文字もにじんでしまいます
そんなとき心の中で叫ぶのです
“あなたの娘です”と