五木寛之さん、1932年、昭和7年生まれの83歳、相性のあう作家の一人。コンサル時代の習性で如何に経営するか、如何に仕事をするか、如何に生きるか、目的はなにかと考えがちな性格。その結果、人間の生き様に関する本が多い五木氏の著作に接することがおおかった。
古希を迎え80歳まで残り10年如何に生きるべきかと悪い癖でつい考えてしまう自分に対し、この本は如何に生きるか問うな!戦後50年は躁の時代、ひたすら食うべく頑張ってきた、その後20年、いまや鬱の時代、山を登ったら必ずくだらなければならない、今や下山の時代、日本全体が人口減少を背景に下山の時代に入っている。しゃかりきになって1億総活躍社会など馬鹿なことを言う必要なし。国や家族や友人や他への期待はあっさり捨てて、そういう覚悟をして、見返りを期待せず、毎日生きていることに感謝しながら、ささいなことで良いから人様のためになるように生きれば万々歳だ。
所詮、人間は一人でおギャーと泣いて生まれ、生老病死の旅にでる。その間、笑ったり、泣いたり、恨んだり、喜んだり、苦しんだり、叫んだりしてリタイヤするまで生きる。そのとき1億円以上の金融資産をもっている人間は200万人、全体の2%弱。しかし彼らももろもろの不満悩み心配事をかかえ、そして一人で死んでゆく。貯金ゼロの老人も一人で死んでゆく。死んでしまえば金持ちも貧乏人も皆同じ。どんな豪勢な葬式をしても皆同じ。
一日の終わり、足指を洗いながら今日も良く生きることができた、ありがたい。よく朝、目覚める。よく目が覚めることができた。ありがたいことだ。感謝の気持ちを忘れず、笑顔を人様に施す、「和顔施」(わげんせ)。「眼施」相手の目をみて言葉をうけとめる。「言施」ごんせ・・言葉をつくして慰める。ただ生きているだけですごいことだという認識。70年間、寝ているときも起きているときも心臓は動き続けてくれている。
笑顔でいるためには養生がいる。腰痛1か月、9割がたもとにもどったが整形外科にいき、ウオーターべっドマッサージ。スタッフの女性たちがにこやかに対応してくれる。彼女たちもなんらかの悩みはかかえているに違いない。そんななか年寄り相手に笑顔をふりまいてくれている。「ありがとう」!!
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