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110220:第二次大戦、サイパン玉砕秘話、「太平洋の奇跡、フォックスと呼ばれた男」を観る

2011年02月20日 | 辛口ひとりごと

ワーナーマイカルシネマ筑紫野での映画鑑賞趣味が定着しそう。60歳以上はシニア料金で1000円、ポイントカードで5回見ると1回無料。
今回の映画は「太平洋の奇跡・・フォックスと言われた男」2月11日封切りで興行収入、顧客満億度No1の映画。実在の軍人、大場栄(竹之内豊主演)大尉のサイパン島での玉砕ではなく生き残りることをテーマにした日米合作映画。
 マリアナ諸島がアメリカの戦略目標になったのはB29が開発できたためで、給油機地として確保できれば東京空爆が可能となり一挙に制空権をにぎれる。そのターゲットがサイパン占領であり、1944年、2月、日本軍も総力をあげサイパン防衛にあたるが圧倒的な米軍の火力を前に、タッポーチョ山を残して上陸占領されてしまう。日本の戦死者2.5万人、自決5千人、捕虜250人。アメリカ死者3500人、負傷13000人。
この映画は1945年、ポツダム宣言受諾、日本敗戦のあとも、絶対降伏しない信念のもと、大場大尉率いる残された47人の米軍五万人との512日の戦いを描いた実話戦記。
 フォックスと言われ、恐れられ、後、敵ながらあっぱれと本にもなり、この映画の原作となっているが、大場大尉の原点着眼、大局着眼、小局着手の組織統率力が賞賛され描かれている。
 狐の習性は穴倉をほり、食料を保存し、身を守る、大変用心深い反面、大丈夫だと判断したら想像もつかない果敢な行動、攻撃をしかけるらしい。そんな習性から、わずか47人で大軍を翻弄しながら512日を戦い抜き、1945年12月に誇りをもって47名が降伏のため軍歌を高らかに歌いながら下山させた大場大尉をフォックスと例えたのであろう。軍歌「歩兵の本領」を整然と整列行進しながら歌いつつ、下山、降伏式にむかう場面、大尉が軍刀を引き抜き、刀身をみつめ、鞘におさめ、米軍に差しだすシーン、日本語がわかる米軍大尉から二百数十人の命を救いましたね、立派でしたと言われ、「私はそれ以上の人を殺した、何も良いことはしていない」と返答する場面は感動的であった。
 万歳クリフで有名な玉砕サイパン。劇的に戦況を変化させ、B29の東京空襲、広島長崎への原爆投下につながるサイパン島での全滅、そのなかで知られていなかった終戦後、なお4カ月ばかり戦い続けた47名の日本軍人。
 リーダーにとって最重要な資質はことに処して的確な判断をくだせる価値判断能力。
戦闘初戦ではいかにして一人でも多く敵を倒すか、そして3万の大軍が撃滅され、47人が残った。一般人200名余りが収容所にいれられた。残された軍人の選ぶ道は自決か、投稿ビラで東京焼け野原、さらに終戦玉音放送のことを知らされ、われわれはくいなく戦った、誰一人恥じる必要はない、みんな生き抜こう!これが組織を統括するものの原点思考、価値判断力である。
 平和ボケ、欲ボケ、イロボケのにっぽん。いまやサイパンはリゾート地、敗戦までの昭和史で何百万の日本人が死んでいったその歴史をしっかり学びなおすべきであろう。日本はあまりにも歴史教育がおざなりだ。わたしは昭和20年5月大阪の生まれ。よくぞ生き残ったものだ。昭和の歴史とあわせ自分史をつくってみたい。


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