僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

泉鏡花と竜胆と

2013-09-24 23:09:05 | 
竜胆の鉢植えを購入した。

私はこの釣鐘型で青紫の花をこよなく愛す。


実際の色合いは次の画像に近い。


泉鏡花の『若菜のうち』の中に
婦(おんな)は道端の藪を覗き松の根を潜った。竜胆(りんどう)の茎の細いのを摘んで持った。と出てくる。

また『草迷宮』の中でも
大崩壊(おおくずれ)の巌の膚(はだ)は、春は紫に、夏は緑、秋紅に冬は黄に、藤を編み、蔦を絡い、鼓子花(ひるがお)も咲き、竜胆も咲き・・・と
リンドウが描かれている。

『りんだうとなでしこ』という作品を手がけていることなどからも、よほどリンドウ好き
だったことが推測される。

私は小村雪岱の装丁による鏡花本も大好きである。


私のふるさとでは、秋のお彼岸の頃、山里に愛らしい竜胆を見ることができた。

竜胆を見ると、その頃の自分を見ているような気がする。