僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

晦渋

2013-09-30 22:51:51 | ことば
『Qさま』で東大大学院の教授、ロバート・キャンベルが「かいじゅうな文章」の「かいじゅう」を正確に「晦渋」と書くことができていた。
やくみつるなど、他の出演者は、「懐柔」と誤答していた。

「晦渋」の意味は、「難解」なということで、ペダンスチックや衒学的という言葉とは違う。
「晦」は「みそか」とか「つごもり」の訓があり、音読みは「カイ」。
「晦い」は「くらい」、「晦ます」は、「くらます」と読む。
そもそも「晦」とは、陰暦の月末で月のないやみ夜を表した。暗いのでそこから物事がよくわからない、姿をくらますの意味に派生された。

よく使われる「自己韜晦(とうかい)」とは、「自らの才能や本心などを内に秘めて
人に知られないよう表に出さない」という意味である。

ちなみにやく氏が間違えた「懐柔」とは、「うまく扱って、自分の思うとおりに従わせること」、つまり端的にいえば「敵を味方に変える」ということである。