僕の感性

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英語とフランス語

2018-04-11 18:50:42 | 歴史
フランスとイギリスはドーバー海峡をユーロスターで結ばれていて、短時間で行き来できる
仲の良い国同士なのでしょうか。

けれどむかしむかし100年戦争で戦ったという紛れもない事実もありますよね。

911年にノルマン人の首長ロロが、ノルウェーやデンマーク人を率いて
何百隻ものロングシップでフランス北西部へ上陸し襲撃しました。

当時のフランスは、西フランク帝国と呼ばれていましたが、ご存知のように分裂などで
体力がかなり弱っていたのです。

そこに付け込まれ、ゲルマン民族が建国した国に、北方系のゲルマン民族、ノルマン人が襲撃してきたわけです。
彼らは、ヴァイキングと呼ばれ、太陽羅針儀やサンストーンで太陽の方角を見定め
非常に緻密な航海術を熟得していました。

時には交易をし時には略奪行為をしながら南下して植民地化していきました。

前述したロロの対応に、当時西フランク国王のシャルル3世は
国の一部を開けわたしました。キリスト教徒に改宗し、略奪行為をやめ、他のヴァイキングを退けることを条件に
ノルマンデイー公国の地を授けたのです。
謂わば「毒をもって毒を制する」とか「軒を与えて母屋を守る」といったところでしょうか。

ロロの5代あとの末裔、ギョーム2世の時、ノルマン・コンクエストという事件が起きます。
なぜギョーム2世がイングランドを標的にし進出していった理由は割愛します。

イングランド王ハロルドをヘースティングズの戦いで倒してしまうのです。
流石ヴァイキングの末裔らしく、巧妙な戦略でハロルドを打ち負かしました。
ついに1066年、イングランドにノルマン系フランスの王、ウイリアム1世が誕生するのです。

彼はフランス語を公用語とし、フランス文化を導入し、イングランド各州の代表からアングロサクソン人たちを排除していきました。

ではなぜフランス語がその後廃れて英語に復活したのでしょうか。

もともと大多数の一般国民が使用していた英語に王室の人たちのフランス語も同化していったものと思われます。
そして、何百年もの経過でノルマン系フランス人とアングロサクソン系との混血が進んだ結果とも言えます。
またノルマンイングランド人が本国フランス人に対抗意識を持つようになったからともいえるでしょう。

今でもたくさんのフランス語由来の英単語が使われています。

例えばfinish 英語ではend
roseもroutineもsouvenirももともとフランス語なのです。
canvasなど画の用語や料理に関する言葉も多数導入されましたよね。

いずれにしてもイギリス人はむかしむかしフラン人に国を征服されたとは語らないし
フランス本国でフランス人たちは英語を使おうとしないし、英語に対する受け答えも冷たい反応の様です。