僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

鰻(うなぎ)

2010-01-25 23:31:09 | 食べ物
「ねえ、ご隠居さん。あの鰻って魚はどうしてウナギっていうんですかねえ?」

「ああ、あれかい」
ご隠居さんは庶民のエンサイクロぺディア、ウィキぺディア。なんでも知っていなければいけないのです。

「それはじゃ、鵜(う)という鳥がいるな」

「へい。魚を呑む・・・」

「さよう。鰻は体が長いうえにエラがふくらんでおる。だから鵜が飲み込もうと思っても、これがなかなか難儀じゃ」

「へい?」

「鵜が難儀するから、ウナギじゃな」


薬王という小咄でございました。

ウナギは家屋の棟木(むなぎ)のように丸くて細長いので「ウナギ」となった説や、胸が黄色いので胸黄から「むなぎ」となった説があります。

宮崎県の方言で“疲れた”ことを“ヨタギイ”といい、これは「余は大儀である」が訛ったものだといいます。
となると「鵜が難儀する」から「ウナギ」でもいいのかな?

黄昏

2010-01-25 22:32:36 | Weblog
黄昏と書いて「たそがれ」と読む。
夕方の薄暗い時間帯を指している。夕暮れ、夕間暮れと同義語である。

夕方は人の顔が見分けがつきにくく、「誰だあれは?」を古語で「誰(た)そ彼」と言った。
つまり、「たそかれ」が「たそがれ」になったのである。

黄昏や黄昏時を逢魔時(おうまがどき)とか大禍時(おおまがどき)とも言う。

昔の暮れ六つ、酉の刻で、おおよそ18時ごろを指す。


同じような言葉に「かわたれどき」という言葉がある。「彼(は)誰時」と書く。

昔は、夕方の意味と明け方の意味があったが、現在では夜明け方で日の出前を指す。
夜明け前はまだ薄暗いので「彼は誰?」と人の見分けがつかなかった。

そこで「かはたれ」⇒「かわたれ」となった。

かわたれ星とは、明けの明星のことである。