僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

重陽の節句

2008-09-09 23:29:12 | Weblog
旧暦の9月9日は「重陽の節句」です。新暦でいうと10月19日にあたり菊の花が咲くころになります。
平安時代には、菊を眺めながら詩歌を詠ったり、菊酒を飲み邪気をはらい、長寿を願いました。
5月5日のこどもの日と7月7日の七夕は今でも行事として民間に根強く残っていますが、「重陽の節句」はなじみが薄いようです。
中国では奇数が陽の数字で、一番大きな数字の9が重なるので重陽は最もめでたい日とされていました。
山形では菊は観賞用にも、食用にも広く県民に愛されています。
特に「もってのほか」という品種は殊に広くおいしいと食べられています。

菊に花 若ゆばかりに袖されて
花のあるじに 千代はゆづらむ   紫式部

当時「着せ綿」という習慣があり、9月8日に蕾の菊に綿をかぶせておいて、翌日夜露と菊の香がしみこんだ真綿で体をなでたということです。
上の歌は北の方倫子から着せ綿を贈られたが千年の寿命は主にお返ししますという意味になります。