浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

埼玉栄中学・高等学校吹奏楽部 第37回定期演奏会

2013-06-20 01:57:18 | 吹奏楽

2013年(平成25年)6月16日、日曜日。
前日の横浜みなとみらいホールで行われた神奈川大学サマーコンサートに続いて、この日は地元、埼玉の吹奏楽の名門、埼玉栄高校の定期演奏会(夜の部)におじゃまさせて頂きました。
場所は、大宮のソニックシティホール。
昨年に続いて2度目の演奏会“訪問”です。

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埼玉栄高校といえば一昨年、3年連続全国大会出場を果たしました。
しかし、まさかの銅賞で悶々とした気持ちで「3出(さんしゅつ。3年連続全国大会に出場すると4年目は出場できないという大会規定。今年度該当団体より廃止。)」を迎えたことでしょう。
それでもコンクールに“名誉の不出場”?となった昨年は、ウィーンフィルの本拠地ウィーン学友協会ホールで行われた「ウィーン国際青少年音楽祭」に参加され、吹奏楽部門で1位という輝かしい成績を獲得したことで、多少、溜飲の下がる思いがあったのでは…。

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また、昨年の定期演奏会もこのブログに記事を書かせて頂いたところ、部員の方やご父兄の皆さんから、複数のあたたかいコメントを頂きました。
他の高校の演奏会も記事にしていますが、このような事は埼玉栄だけです。
生徒はもちろん、ご父兄、学校が真面目に吹奏楽に取り組んでいることがわかりますよ。
だからこそ、私にとって何の縁もない埼玉栄ですが、応援したくなりますね。

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さて、余談はこれくらいにして、本題に入りましょう。
電話でチケットの予約をしておりましたので、座席指定券と引き換えに行きましたら、2階席ではありますが、真ん中あたりの前から2列目という、なかなか良い席でした。(となりの若者のカップルがイチャイチャしていて気になりましたが…。)
当日のプログラムは以下のとおりです。

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[演奏]埼玉栄中学・高等学校吹奏楽部
[指揮]奥 章
    大滝 実
    萩原 奏恵
    宍倉 晃

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【Ⅰ】

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● キャンディード序曲  (L.バーンスタイン)
● 2013年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ“勇者のマズルカ”  (三澤 慶)
● 2013年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ“エンターテイメント・マーチ”  (川北栄樹)
● アーデンの森のロザリンド  (A.リード)
● 宇宙の音楽  (P.スパーク)

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【Ⅱ】

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「バンザイ!SAKAE 好きで良かった!」

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【Ⅲ】

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● 歌劇“ホフマン物語”  (J.オッフェンバック)
● エルザの大聖堂への行列  (R.ワーグナー)
● 交響曲第1番より 第4楽章  (G.マーラー)

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(まず、生徒指揮で校歌の演奏があり、続いて校長先生のご挨拶がありました。)
最初はバーンスタインの不朽の名作「キャンディード序曲」。
この曲は、やっぱりスピード感が大切です。
多少のミスはありましたが、埼玉栄の演奏もリズムを感じさせるスピード感ありましたよ。
“つかみはOK”ですね(笑)
次は課題曲Ⅰです。
Aからのクラリネットのメロディがmpとは言え、もっとリズミカルな感じがあると私の好みでした。
それと出だしはモヤモヤ入ったような気がして…。
それでも中間部のIからはメロディラインを大いに歌い、さすが埼玉栄だなと感心した次第。
次は、おそらく今年の吹奏楽コンクールで一番人気であろうことが予想される課題曲Ⅳ。
これはとても素敵でした。
軽やかで力が入り過ぎず、そよ風のように、サッと駆け抜けて行ったような演奏でした。
Ⅰ部、最後の曲はスパークの「宇宙の音楽」。
これは、私が、とても好きな曲です。
もともとブラスバンドのために書かれた曲のようですが、壮大なスケール感をどう表現していけるかが課題ですよね。
リズムに乗っていて非常にバランスの良いアンサンブルだと感じました。
躍動感もあって表現力の豊かさは、さすが高校トップレベルの団体であることを実証していたように思います。
さすがです!
ただ、時折、金管の乱雑なffが聴こえてくるのが気になりましたが…。
いかにffでも、この曲をやるときは、イギリスのブラスバンドのように柔らかくて温かみのあるサウンドがベストだと思っていますので…。(You tubeでブラスバンド版の“宇宙の音楽”を聴いたことがありますが、どんなに大きな音でも“荒々しく”なかったのが非常に印象的でした。)

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休憩時間です。
前日に聴いた神奈川大学の演奏が耳に残っていて、それがあまりに素晴らしかったものだから、どうしても比較しちゃうんですね。
少し、細かい事が気になり過ぎています。
ゴメンナサイ。
もう少し、“音楽”を楽しまなくっちゃ!です。

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Ⅱ部は生徒の皆さんが工夫をこらしたポピュラー音楽のステージでした。
歌あり、漫才、コントetc.ありで楽しい時間でした。
それにしても、ひとつひとつの出し物が完成されていて、もしかしたら、放送作家が台本を書いているのではないかと思えるほどでした。
それと、こういうステージは、もしかしたら観客より自分たちの方が楽しいんじゃないのと思える“演出”の学校が多い様に思いますが、埼玉栄は「お客さんを楽しませよう」という意識が多大に感じとれます。
それは、エンターテイメントの原点だと思うし、それが結局、演奏に現れてくると思うのです。
だから、埼玉栄の演奏は素晴らしいのです。
(他の学校によっては観客に演奏に合わせた“振付”までさせられることもあります。“やりたくない人”もいることをわかって頂きたい。)
ところで、Ⅱ部の演奏の指揮はコーチの宍倉晃氏がされました。
宍倉先生といえば、ご自身で作曲され、埼玉栄が第53回(2005年)の全国大会で演奏した「狂詩曲 ショパン・エチュード」を思い出します。
私は、この曲がとても好きです。
出来れば、生演奏を聴いてみたいものですね。
楽譜もレンタル出来るようですし、どこかの団体がやらないかなあ…。

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またまた、休憩です。
ロビーに出てみます。
何か祝電がボードにたくさん貼ってありますなあ。
あれ、この間、再選したばかりのさいたま市の清水市長からも、来てます。(この後、行われたⅢ部のステージ上で祝電紹介の中で“発覚”したのですが、祝電は上田埼玉県知事からも来ていたようですね。)
ある意味、埼玉県を代表する団体なんですね、埼玉栄って。

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さて、最後のⅢ部が始まります。
最初は、歌劇ですか。
書いてないけど、やっぱり宍倉先生の編曲でしょうか?(指揮も宍倉先生でした。)
う~ん、この手の曲は、埼玉栄の真骨頂ですね。
表現力が素晴らしい。
そこそこ長い演奏でしたが、観客を飽きさせないパフォーマンスでした。
ただ、ひとつだけ…。
途中のホルンパートのtuttiの部分でアンサンブルが崩れかかった個所がありました。
「あれ、こんなんで、マーラー乗り切れるのだろうか」と不安になりました。
トリの曲、マーラーの交響曲1番は金管、特にホルンにかかる負担は多大ですから…。
次は「エルザの大聖堂への行列」です。
「ええっ、昨日、横浜で『エルザ』のすごいの聴いちゃったよ、どうすんの、これ…。」なんて思いながら、演奏を待ちました。(前日の神奈川大学吹奏楽部の演奏会でも、この曲が取り上げられました。パイプオルガンまで使ったすごい演奏でした。)
どの楽器というわけではないのですが、出だしの無造作な入り方が気になりました。
しかし、やはり実力と言うか、底力というか、どんどん彼らの世界に引き込まれていくのを感じました。
神大よりは、さすがに“若い”演奏ですが、誠実でしっかりとした“音”が会場に広がっていきます…。
素敵な演奏です。ブラヴォー!

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トリの曲の前に埼玉栄高校吹奏楽部主将、眞仁田杏美さんから挨拶がありました。
彼女が経験してきた吹奏楽部での素晴らしい日常が目に見えるような挨拶でした。
何かジーンときましたね。

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最後は大曲、マーラーの交響曲1番。
演奏人数も増えましたね。
100人以上いるようです。(途中まで数えましたが、ワケがワカラなく、なりました。)
これだけの人数がいると圧巻です。
大迫力の演奏は会場を圧倒し、トリの曲にふさわしいパフォーマンスでした。(ホルンは素敵でしたよ!)
「ごくろうさま!」って言ってあげたい気持ちになりました。

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さて、ここからは、音楽素人の生意気な私見ですから、気を悪くされる方がいらっしゃいましたら、ご容赦下さい。
マーラーは吹奏楽には合わないと思うのです。(ブルックナーとかも。)
曲が重厚なだけに弦楽器を他の楽器に置き換えることは不可能です。(演奏の巧拙を言ってるのではなく、楽器のバランスの問題。)
なぜ吹奏楽でマーラーを演奏するのか理解に苦しみます…。
スミマセン、生意気言ってしまいました…。P6150235_2

アンコールは、3曲。(曲目がわからないものもあるので、ロビーにでも掲示して頂くとウレシイです。他の団体は結構やってますよ。)
その中でも、最後に全員で披露して下さった「合唱曲“夜明け”」。
この曲は旭川商業高校吹奏楽部の部員の皆さんが平成10年に作った曲だとのことです。
昨年の定期演奏会でも聴かせて頂きましたが、最初は曲名がわかりませんでした。
このブログを読んだ方より、コメントを頂き「夜明け」という曲だということがわかりました。
しかも、その後、旭川商業高校吹奏楽部顧問の佐藤淳先生より「合唱曲“夜明け”」誕生の経緯についての実に愛情あふれるコメントを頂きました。
詳しくは、当ブログの「埼玉栄中学・高等学校吹奏楽部 第36回定期演奏会」の記事をご覧下さい。http://blog.goo.ne.jp/urawa_kappa/d/20120619

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信頼できる仲間がいて、尊敬できる先生がいて、応援してくれる親御さんがいて、素晴らしい環境の中で、のびのびと音楽を楽しんでいる。
そんな学園生活を私のような部外者でも想像出来るような“演奏会”でした。

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これからも若者らしいパワーで、埼玉栄の伝統を守り抜き、観客に素晴らしい“音楽”を送り続けて下さい。
浦和のオヤジは、それを切に望みます。


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2 コメント

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浦和のオヤジさま、いつもいつも埼玉栄吹奏楽部を... (ゆずそら)
2013-06-20 16:04:53
浦和のオヤジさま、いつもいつも埼玉栄吹奏楽部を応援して頂き、そして楽しんでいただき本当にありがとうございます。
娘が現在埼玉栄吹奏楽部で頑張っております。
先日の演奏会では、保護者の私も心から楽しみ、感動しました。
毎日毎日、日曜祝日も休みなく、朝早ーくから夜遅ーくまで練習している子供たちを見ているため、感動もひとしおです。
母親の私たちは毎日せっせとお弁当を作ったり、時間が許せば近所から遠くまで我が子たちの演奏を聴きに行き、
精一杯の拍手を送ってあげることしかできませんが、定演だけでなく各種イベントから学校行事など様々な形で聴き、毎回感動してしまいます(親バカですね)

昨年の定演や秋演のDVDを見ると、客席のお客様が皆さん笑顔で拍手を送ってくださっているのが映っていて、ああ、皆さん楽しんでくれたんだなあ、よかった、と胸がいっぱいになります。

浦和のオヤジさんをはじめ、たくさんの方が聴きにきてくださり感想を述べて下さり、応援して下さること、心から感謝いたします。
嬉しい感想、厳しい感想、全て部員たちの糧となりまた明日からの努力の源になります。そして私たち保護者も同じく嬉しい思いです。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

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コメントありがとうございます。 (浦和河童)
2013-06-20 19:42:14
コメントありがとうございます。
このブログを書かせて頂いている浦和河童です。(“浦和のオヤジ”でもOKです。)
生徒さんたちのご苦労は、私のような素人のオヤジにでも音を聴けばわかります。
愛情に満ち溢れていますからね。
私も埼玉県民として、地元の若者たちを陰ながら応援させて頂ければと思っております。
これからも期待しています!!
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