東邦音楽大学の吹奏楽団の演奏会には数回、行かせて頂きました。
いつも、文京シビックホールで開催されることが多いのですが、今回は、北区王子にある「北とぴあ さくらホール」です。
「北とぴあ(ほくとぴあ)」は、“北区の産業の発展と区民の文化水準の高揚”のために1990年(平成2年)にオープンした施設です。
座席数1300の“さくらホール”を筆頭に“つつじホール(402席)”や会議室、展示室、研修室等を兼ね備えた17階建のビルで北区における“産業と文化の拠点”と位置付けられています。
今回、演奏会のある“さくらホール”は、初めて伺わせて頂きますが、“響き”が楽しみですね。
東邦音楽大学には、私の知る限り、二つの吹奏楽団があります。
それは、「ウインドオーケストラ」と「ウインドアンサンブル」です。
今回、演奏会に伺わせて頂いた「ウインドオーケストラ」は、いわば“講義の一環”という立場で日頃の学習内容の発表をする“団体”です。(したがって、すべての学生が参加するそうです。)
それに対して「ウインドアンサンブル」は、“学生有志により結成”され、“学生が主体となり、演奏会の企画・構成・運営”を行っています。
すなわち、前者を“授業”とするならば、後者は“部活”ってカンジですかね。
さて、磯部周平先生(東邦音楽大学特任教授)は、NHK交響楽団クラリネット首席奏者などの輝かしい経歴を持つ方で今年から、「ウインドオーケストラ」の指導をされることになったようです。(確か4月からって、おっしゃてたかなぁ。)
ホールに入りました。
エスカレーターを2階へ上がって右側には“つつじホール”の表示が見えますね。
そして、正面がこの日の会場“さくらホール”のエントランスです。
入り口でプログラムの冊子をもらい、ホール内に入ります。
“自由席”ですので、適当な位置に腰をおろしました。
正直な感想。
舞台はともかく、客席の勾配がケッコウきつい。
1階席の真ん中から、奥(舞台から離れた位置)になるほど、“客席見降ろす”感が強いような気がしました。(2階席は行ってないので、わかりません。)
客席の感じは、少し“川口リリア”の大ホールに似ている感じがしました。
でも、やっぱりイチバン重要なのは響きでしょうが…。
2014年(平成26年)12月11日、木曜日。
まもなく午後7時となるところです。
東邦音楽大学・東邦音楽短期大学ウインドオーケストラ、第184回定期研究発表演奏会の開演です。
[演奏]東邦音楽大学・東邦音楽短期大学ウインドオーケストラ
[指揮]磯部 周平(東邦音楽大学特任教授)
ゴッドスピード! (S.メリロ)
Godspeed!/Stephen Melillo
吹奏楽の為の第1組曲 変ホ長調 (G.ホルスト)
First Suite for Military Band in E♭ major Op.28-1/Gustav Holst
1.Chaconne
2.Intermezzo
3.March
世界の行進曲
フランス軍隊行進曲(C.サン=サーンス/編曲 G.モレー)
Marche Militaire Francaise/Camille Saint-Saëns Arr.Georges Moreau
旧友(C.タイケ/編曲 三戸知章)
Alte Kameraden/Carl Teike Arr.Tomoaki Mito
海を越えた握手(P.スーザ/編曲 F.フェネル)
Hands across the sea/John Philip Sousa Arr.Frederick Fennell
祝典行進曲(團 伊玖磨)
Celebration march/Ikuma Dan
鳳凰が舞う~印象、京都 石庭 金閣寺(真島 俊夫)
La danse du Phènix-impression de Kyoto/Toshio Mashima
【休憩】
歌劇「運命の力」序曲(G.ヴェルディ/編曲 淀 彰)
Overture“La Forza del Destino”/Giuseppe Verdi Arr.Akira Yodo
歌劇「ローエングリン」より エルザの大聖堂への行列(R.ワーグナー/編曲 L.カイエ)
Elsa’s Procession to the Cathedral/Richard Wagner Arr.Lucien Cailliet
「ダフニスとクロエ」第2組曲(M.ラヴェル/編曲 高橋 徹)
Daphnis And Chloe-Symphonic Fragments-2nd Suite/Maurice Ravel Arr.Tohru Takahashi
プログラムの演奏曲目にざっと目を通して見ますと…、バラエティに富んでいますなぁ。
お腹いっぱいになりそうな…。
最初の曲は、アメリカの作曲家メリロの作品です。
日本では、「アメリカの騎士」「プラトンの洞窟からの脱出」などがよく演奏されますが、この「ゴッドスピード!」も有名です。
曲名の「ゴッドスピード」は、“成功を祈る”という意味だそうです。
東邦音大の演奏も若々しくハツラツとしたもので好感が持てました。
次は吹奏楽の演奏会では定番中の定番、ホルストの「組曲」ですね。
今日は第1組曲のようです。
ほんとにこの曲は演奏会で数えきれないくらい聴いています。
良い曲だとは思うのですが…。
少し、食傷気味かな。(失礼!)
でも聴いてしまうと心穏やかになるのです…。
そして、この日も、そうでありました…。
続いて、「世界の行進曲」と題して、マーチが4曲。
最初の「フランス軍隊」、懐かしいですねェ。
昔は、比較的ポピュラーな曲でした。
タイケ、スーザとマーチの王道を行く作曲家の作品が続き、最後のシメは、團伊玖磨先生の「祝典行進曲」。
この曲は、天皇陛下が皇太子時代に皇后陛下とご成婚されたのを記念して作曲された曲ですね。
昔よく聴いた覚えがあるので、これも非常に懐かしく感じました。(自分でも演奏したことがあったかも。)
さて、前半、最後の曲は、真島俊夫先生の「鳳凰が舞う」。
大好きな曲です。
この曲は、一般的には第2回クードヴァン国際交響吹奏楽作曲コンクールでグランプリを受賞したことで有名ですが、もともとは、2005年に川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の創団25周年を記念した委嘱作品です。(アンサンブルリベルテは、この年、全日本吹奏楽コンクールにおいて、この曲で“金賞”を受賞。)
この日の演奏も日本的な雰囲気を上手に醸し出すことの出来た気合いのこもった演奏だったと思います。
休憩に入りました。
実際の演奏を聴いたあとの「北とぴあ さくらホール」の印象について。
思ったより響きました。
中段あたりにいたのですが、曲によってはもう少し、後ろの方にいればよかったかなと思った瞬間がありましたから。
後半は、吹奏楽アレンジ曲として著名な3曲。
まずは、「運命の力」。
これは、私が学生の頃、実に流行りました。(どこの地方のコンクール行っても「運命の力」を自由曲として、必ず一校は選んでいる時代でした。)
東邦音大の演奏は、私が聴きなれた印象と比べて少し、早いような気がしました。(ところが私は楽譜を見たことがないのですが…。)
しかし、最終的には無難にまとまった演奏で聴きやすかった。
2曲目は、いわゆる「エルザ」です。
そう言えば、つい3週間弱前の11月23日、東京藝大ウィンドオーケストラの“名演”を聴いたばかりです。
東邦音大も楽しませて下さいネ。
冒頭のフルートソロ、とても素敵で美しい!
メロディを追い掛けていくオーボエもサイコー!
でもね、合奏になって違和感を意識してしまう部分があったような。
特にクラリネットのユニゾンとか。
しかし、いい曲ですね、「エルザ」は。
心が和みます。
さあ、トリの曲。
「ダフニスとクロエ」です。
透明感のある曲なので楽しみです。
おや、舞台の上手側の近くに椅子が並べてありますね。
察するに合唱パートが入るんでしょうか?
演奏が静かに始まりました。
表現力が際立っています。
でも、メロディライン以外の細かく細動するバック(特にクラリネット)がイマイチかな。(ナマイキ言ってスミマセン。)
「無言劇」のフルートソロは素晴らしかった。
そして、「全員の踊り」は盛り上がりました!
合唱の皆さんも効果的でしたが、もう少し音量があれば、もっと良かったように思いました。
アンコールは、真島俊夫先生編曲のお馴染み「星条旗よ永遠なれ」。
ジャズっぽくアレンジされた「星条旗-」は、何度も聴いたことのある楽曲ですが、とてもかっこいい演奏でした!
全部を聴き終わって、思うこと。
個人もそうですが、少しだけ、楽器パートごとに技術の格差があるように思いました。
シビレる音色が聴こえてくると思えば、アレっと思う瞬間があったり…。
いずれにせよ、こんなに良質の吹奏楽を聴けるのは嬉しいことですし、これからも
頑張って頂きたいですね。
来年の3月にある「ウインドアンサンブル」の演奏会にも行かせて頂きますね。(仕事の関係で行けなかったら、ゴメンナサイ。)
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