浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

国立音楽大学 第53回ブラスオルケスター定期演奏会

2012-07-10 00:14:20 | 吹奏楽

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2012年7月8日(日)、久々のサントリーホールです。
このところずっと、完全なアマチュアの吹奏楽団ばかり聴かせて頂きましたが、今回は音大の皆さんの演奏会です。
演奏は「国立音楽大学ブラスオルケスター」。
指揮は、パリ・ギャルド・レピュブりケーヌ吹奏楽団の主席指揮者「フランソワ・ブーランジェ」氏です。
ブーランジェ氏と言えば、一昨年のギャルドの東京公演(2010年11月5日 東京芸術劇場)を聴かせて頂き、大変感銘を受けました。
今までの人生で聴いた吹奏楽団の中でNO.1でした。(それ以後もギャルドを超える演奏はありません。)
それ以来の再会?ですね。
非常に楽しみです。

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プログラムは以下のとおりです。
1.序曲「ローマの謝肉祭」(H.ベルリオーズ/P.デュポン)
2.陽気なマーチ(E.シャブリエ/P.デュポン)
3.ボレロ(M.ラヴェル/P.デュポン)
4.ラプソディ・イン・ブルー(G.ガーシュイン/R.ブートリー)
5.パリのアメリカ人(G.ガーシュイン/D.デジレ)

オール、オケの編曲ものです。
本当は吹奏楽のオリジナル作品とか、委嘱の新作とか聴いてみたい気持ちもありますが、指揮者がギャルドの方なので致し方ないでしょう。

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1曲目の「ローマの謝肉祭」を聴いて、びっくりしました。
さすがに音大生だけあって、サウンドのやわらかさは素晴らしい。
特にクラリネットパートの透明感のある音色には、うっとりです。
プログラムの最後の方に書いてありましたが、今回の演奏会のテーマは、“パリ・ギャルドの伝統をくにたちの響きで”ということのようです。
その目的は達成に近づいていると演奏を聴いて深く実感いたしました。
(それがために過去4度連続、ブーランジェ氏を指揮に迎えたとの事。)

シャブリエと言えば、私がすぐ思いつくのは、「狂詩曲“スペイン”」です。
しかし、2曲目の「陽気なマーチ」は初めて聴く曲でした。
軽やかな曲調や演奏が身体中に清涼感を与えてくれるようで非常に好感が持てました。

休憩前の最後の曲は、ご存知「ボレロ」。
(そう言えば、ギャルドの東京公演でも演奏していましたね。)
ド素人の私が言うのも何ですが、ppでこんなに表現力があることに驚かされました。
また、徐々に盛り上がっていくさまは、素晴らしく、曲のエンドを最高の頂点に持っていく技術はさすがです。
各ソロパートの方々も、さすが音大生らしく、個人の技術の高さを感じさせてくれます。
そして何よりも、ブーランジェ氏の演出力には脱帽です。
とにかく、ブラボーでした!

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休憩をはさんで後半の演奏です。

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最初の曲は「ラプソディ・イン・ブルー」。
メインのピアノを弾いて下さるのは、同じ国立音大の小曽根 真 教授です。
小曽根先生はジャズの世界では、かなり高名な方なんですね。
もちろん、小曽根先生の演奏は素晴らしいものでした!
随所にちりばめられたアドリブが非常に心地よく、特にジャズファンでもない私でも引き込まれていく“何か”を感じました。
しかも、クラシックの世界とも、うまく融合していて、不思議な空間を醸し出しており、非常に楽しめました。
いやあ、今日ここに来て本当に良かった。
心からそう思えるひと時でした。
(それと、曲名は、わからなかったのですが、小曽根教授がアンコールで演奏されたピアノ独奏はシビレました。)

トリの曲は、これまたガーシュインの「パリのアメリカ人」。
諧謔味にあふれ、描写力に優れた演奏に観客は魅了されっぱなしでした。(少なくとも私は。)
蛇足ながら、少しだけ思ったのは、ギャルドのブーランジェ氏を指揮に迎えているのであれば、トリの曲はやはり、「ダフニスとクロエ」を聴きたかったかなあと思いました。(あっ!ストラヴィンスキーの「火の鳥」なんかもいいかも。)

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最後に今回の演奏会について思うこと。
全体的にノーブルな印象を持ちました。
フランスを中心とした印象派の音楽にマッチした透明感、躍動感は絶品でした。
最初の方でオケの編曲ものばかりだと批判めいたことを書きましたが、(特にアメリカ人作曲家の)オリジナル曲をこの透明感のある音色で聴くのは、逆にもったいない気がしてなりません。
実は、この後、7月12日に東京音大、7月13日に武蔵野音大、それぞれの吹奏楽団の演奏会が都内であります。
私は、その全部にお邪魔する予定です。
それぞれの団体が、いかに独創性を出して頂けるか、国立音楽大学ブラスオルケスターの演奏を聴いて、ますます楽しみになりました。
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