浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

東京音楽大学シンフォニック ウインド アンサンブル 第43回定期演奏会

2012-07-17 09:15:31 | 吹奏楽

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文京シビックホールは初めて訪れました。
2012年7月12日(木)、九州では未曾有の集中豪雨で大変な事になっているようですが、東京では小雨降る程度です。
そんな中、東京の北の玄関口、勤務地の赤羽から仕事を終えて文京区に向かいました。
地下鉄「東京メトロ」南北線、赤羽岩淵駅より乗り換えなしで20分弱、目的の後楽園駅に着きました。
文京シビックホールは文京区の複合施設、平成6年に完成した文京シビックセンターの中にあります。
何でも旧文京公会堂跡地に区役所や区民施設など文京区の公共機関を集約させたのが文京シビックセンターなのだそうです。
(蛇足ながら、こういったひとつの自治体の公共施設が一体化された例というのは非常に珍しいとの事です。)
その文京シビックセンターの文化施設の中心が「響きの森 文京公会堂」文京シビックホールです。
客席数は1,802で、プロセニアム形式(「がくぶち舞台」舞台と客席が明確に分かれている)のホールでオーケストラピットも完備し、バレエ、オペラ、ミュージカル等の様々な催し物に対応できます。
「コンサートホール」というよりも「劇場」といったほうが近いのでしょうか?

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会場に着くとホール内に入場を待つ長蛇の列が出来ています。
熱気、ムンムンです。
ホール内に入って見渡してみますと一般的な市民会館ってカンジかなあ。
でも、出来たのが平成6年ですから、もう20年近く経とうというのにとてもキレイでまるで新築のようです。

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さあ、開演時間になりました。
東京音楽大学シンフォニック ウインド アンサンブル 第43回定期演奏会の始まりです。
指揮は、かの有名な津堅直弘東京音大教授。(私にはN響のトランペット奏者のイメージが強いですね。)
プログラムは前、後半に分かれてまして、まず、前半のプログラムは以下の通りです。

1.ツェッペリン伯爵 (C.タイケ/S.ルンデル)
2.フェスティバル・ヴァリエーションズ (C.T.スミス)
3.トロンボーン協奏曲「Rising Box」 (M.ケンツビッチ[津堅直弘])

1曲目は、タイケですか。
演奏しようによっては、重苦しくなるドイツマーチを軽やかに元気よく演奏していて良かった。
それにしても、「響きの森-」とうたっているだけあって、よく響きますなあ。
いいホールです。
2曲目は“フェスバリ”ですよ、楽しみです。
出だしのホルンの音量にビックリしましたが、カッコイイ演奏でした。
U.S. AIR FORCEって感じですよ。
それにしても、このバンドは、とてもffがきれいです。
そして、それがスミスの曲にあってる。
いいものを聴かせて頂きました。
3曲目はゲストに新日本フィルの首席トロンボーン奏者、箱山芳樹先生を迎えてのトロンボーン協奏曲です。
(作曲者のケンツビッチというのは、津堅先生のペンネームであって津堅先生がお作りになった曲のようですね。)
美しいメロディのよい曲でしたが、何よりも箱山先生の柔らかい音質の音色は心が休まりました。
ちなみにプログラムには「初演」と書いてありました。
(アンコールに「リフレクティヴ・ムード(S.ネスティコ)」を演奏して頂きました。)

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休憩をはさんで後半です。
今年度のコンクール課題曲全曲とオケの曲が2曲です。

1.2012年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲
  Ⅰ.さくらのうた (福田洋介)
  Ⅱ.行進曲「よろこびへ歩きだせ」 (土井康司)
  Ⅲ.吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」 (足立 正)
  Ⅳ.行進曲「希望の空」 (和田 信)
  Ⅴ.香り立つ刹那 (長生 淳)
2.狂詩曲「スペイン」 (E.シャブリエ/L.カイリエ)
3.ボレロ (M.ラヴェル/村田昌己)

さあ、課題曲メドレーですね。
会場につめかけている多くの中高生におおいに参考となることでしょう。
(演奏中、まわりを見渡して見ますと多くの中高生が真剣に聴き入っている様子が新鮮でした。)
Ⅰは私はどうしても好きになれないですな。演奏は良かったですけれど。
Ⅱについて。
このバンドは私の個人的な印象では金管主体の演奏に聴こえるんですね。
しかし、この曲は木管が目立つので曲全体のバランスが非常によくなったように感じました。
とても素敵な演奏でした。
Ⅲは、この曲の特徴である躍動感を見事に体現していて素晴らしい。
今年、私の聴いた生演奏では文句なくNO.1です。
Ⅳは本領発揮です。
パワーあふれる演奏で観客を魅了しました。
ただ、個人的意見とすれば元気よすぎるかも…。
演奏が終わったあと、指揮の津堅先生が客席にいたひとりの方を観客に紹介して下さいました。
無言だったのでハッキリとはわかりませんが、作曲者の和田 信氏だったのだと思います。
Ⅴ、非常に感銘を受けました。
私にとって難解な曲もすんなりと聴けました。
そして、このような現代曲っぽい曲が非常にあってるなと思いました。

狂詩曲「スペイン」は懐かしいですね。
学生の頃はよく聴きましたが、最近は存在を忘れてました。
いい曲ですよね。
そして、演奏も流れるようなリズムにのって独特の世界を表現しているように感じました。
たまにとんでもなく、キレイなffが聴こえてきて心地よかった。
最後の曲は「ボレロ」。
ほんの4日前にサントリーホールで聴いた国立音大の演奏と、どうしても比較してしまいます。
うーん、どちらも味のある演奏ですね。
ただ、私のようなド素人が生意気にも言わせて頂きますが、ソロ部分の技量はどちらの学生さんも素晴らしく甲乙つけがたい。
きっと、楽団運営のコンセプトが違うんですね。
東京音大は、キレイな「吹奏楽の音」。
それに対して国立音大は弦の音を非常に意識している。
どちらも素晴らしく迷うところですが、結局、ここまでいくと好みなんだと思います。

このあと、下記にあるように4曲のアンコール曲を演奏して下さいました。
(特に津堅先生作曲の「正露丸の主題による4つの変奏曲」は愉快でした。)
そして、少しだけ、思ったのは、メインの曲は吹奏楽曲のハデな曲を聴きたかったなと。
たとえば、スパークの「宇宙の音楽」、スミスの「華麗なる舞曲」とか…。
だって、東京音大の音を聴いてものすごく合ってると思ったから。
素人の勝手なワガママですけど。

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なんにしろ、盛大に演奏会は終了しました。
そして、私は豊かな気持になって、家路を急ぐのでした。
さあ、明日(7月13日)の武蔵野音大の演奏会も、ますます楽しみと思いながら…。


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