浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

東邦音楽大学・短期大学 ウインドアンサンブル演奏会(2014年3月11日)

2014-03-26 11:27:09 | 吹奏楽

2014年(平成26年)3月11日、火曜日。
私は、あの東日本大震災から、まる3年を迎えるこの日に文京シビックホールを訪れました。
「東邦音楽大学・短期大学ウインドアンサンブル演奏会」のためです。

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東邦音大の吹奏楽団には、私が知っている限りでは、“ウインドオーケストラ”と“ウインドアンサンブル”があります。(どちらの演奏会にも行かせて頂いております。)
そして、“ウインドオーケストラ”は、本来の「学業」の成果発表を目的とした活動です。
それに対して“ウインドアンサンブル”は、東邦音大の学生有志により結成され、「学生が主体となり演奏会の企画・構成・運営」をしているのだそうです。
私が勝手に解釈するに「授業」と「クラブ活動」の違いのようなものでしょうか?
ただ、個人的に思うに“ウインドアンサンブル”の選曲の方が好みですね。(昨年のメインの曲、スパークの「宇宙の音楽」なんて、とても良かった。)
さて、開演の時間となりました。

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[演奏]東邦音楽大学・短期大学ウインドアンサンブル
[指揮]山本 教生

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◆ 交響的序曲(J.バーンズ)
◆ シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」(福島 弘和)
◆ 詩のない歌 (R.ルディン)
◆ イーストコーストの風景(N.ヘス)
   第1楽章 シェルター島
   第2楽章 キャッツキル山地
   第3楽章 ニューヨーク

【休憩】

◆ そよ風のマーチ〈第39回(1991年)全日本吹奏楽コンクール 課題曲D〉(松尾 善雄)
◆ ジャパニーズランドスケープ~日本民謡の調べ~(織田 英子・宇田川 不二夫)
◆ メキシコの祭り(H.O.リード)
   第1楽章 前奏曲とアズテック舞曲
   第2楽章 ミサ
   第3楽章 カーニヴァル

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まず、最初はバーンズの曲です。
サウンドが華やかです。
特に木管がステキです。
よく曲とマッチしている音質ですね。
だから、とっても聴きやすい。
ただ、この恐ろしく響く文京シビックホールのせいなのか、観客の数が影響しているのかわかりませんが、金管楽器の音の通りが悪かったのが気になりました。
全体的には“華やか”感が満載で楽しめました。

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次は福島弘和作品です。
この曲は、人気曲で、コンクール等で何回も聴いたことがあります。
音大の学生らしく、今まで聴いてきたアマチュアの演奏に比べて表現力が豊かだなと思いました。
静かなところは、より優しく、激しい部分ではスケールの大きさという感じで聴き慣れたこの曲に新しい発見をしたような気がしましたね。
何かストーリーのある“描写音楽”を聴いているようでした。

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3曲目の「詩のない歌」。
初めて聴く曲でした。
ゆったりとして美しい曲です。
だからこそ、その楽団の真価の問われる難しい曲だなと感じました。
東邦音大W.E.の演奏はメロディに抒情性を醸し出す演奏でした。
癒されました…。
それにしても、このバンドの木管(特にクラリネット)はイイですね。
私の好みのサウンドです。

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さて、前半最後の曲は、流行りの「イーストコーストの風景」。
正直なところ、私はこの曲をあまり好きではないのです。
何故って?
何か全体的に薄っぺらい感じがしてならんのです…。
思いっきり“歌う”ことが、やりづらいような…。(素人がナマイキ言ってスミマセン。)
今まで、この曲の生演奏を何回か聴いたことがありますが、どの団体の“それ”も物足りなく感じました。
そして、この日も同じように感じました。
特に3楽章は、“都会の喧騒”を描いていると思うのですが、繁華街独特の猥雑さが感じられなかった。
これは、東邦音大の演奏の巧拙と言うよりも、ある種、“曲の特徴”だと私なりに捉えた次第。(この曲に関しての私の“感想”は個人的意見であります。決して曲を誹謗中傷する意図はありません。ご不快に思われるかたが、いらっしゃいましたら、素人のオヤジのザレゴトと思い一笑に付して頂ければ幸いです。)

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前半が終わって思う事。
ホールのせいか少し金管の音がこもりがちに聴こえました。
特にホルンとトランペットをそのように感じました。
私が割と舞台に近い席だったので、バンド全体を視界的に捉えられなかったせいもあるでしょうが、音がオフステージから聴こえてくるような錯覚に陥った“瞬間”がありました。
木管はよく聴こえるのに…。
不思議です…。

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後半は、1991年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲「そよ風のマーチ」です。
と言っても私自身が吹奏楽から離れていた時期なので、馴染みが薄い曲なのですが…。
題名と同様に爽やかで軽快な演奏でした。

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次は「和テイスト」の曲ですね。
曲名にあるように日本民謡を主題にした楽曲です。
プログラムの解説によりますと、「会津磐梯山」「ソーラン節」「五木の子守歌」「コキリコ節」「八木節」の5曲のメロディを構成しているようです。
演奏を聴く前は、単純な“民謡メドレー”かなと思っていたのですが、「和」の雰囲気を保ちつつも現代的なセンスも持ち合わせたノーブルな曲でした。
東邦音大W.E.の演奏も“しっとり”かつ“躍動的”なパフォーマンスを繰り広げて頂き、楽しめました。
非常に良い曲なので、もし楽譜が出版されているのであるのなら、多くの団体で演奏して欲しいものです。

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トリの曲は、「メキシコの祭り」。
中学生の頃、私の憧れの曲でした。
天理高校の演奏をレコード(その当時はCDは、“まだ”ありません)で聴いて、ゾクゾクしたのを覚えています。
第1楽章、出だしの“チャイムの乱打”、そして“ホルンの咆哮”…。
純真無垢な中学生は、たちまち“恋に落ちた?”というところでしょうか。
いやぁ、懐かしかった。
すぐにこの曲の世界にのめり込んでしまいましたよ。
そして、東邦音大の皆さんには「素敵な演奏をありがとう!」と言いたかった。

盛大な拍手の中でプログラムは終了しました。

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ちょうど3年前のこの日、未曾有の天災のために多くの尊い命が失われました。
その悲劇に想いを込め、アンコール曲として、フィリップ・スパーク「陽はまた昇る」が演奏されました。(指揮の山本先生がゆっくりとした口調で、この曲の曲名を紹介して下さったのが非常に印象的でした。)
「陽はまた昇る」は、イギリスの作曲家フィリイプ・スパークが東日本大震災の犠牲者のために作った曲です。(厳密に言うとスパーク作曲の既存のブラスバンド曲を吹奏楽に編曲し、曲名を変えて出版したようです。なお、この曲の印税等は日本赤十字社に復興支援のために寄付されたとのこと。ありがたいことです。)
心のこもった演奏は、会場を魅了しました。
そして、2曲目のアンコール。
私の大好きなヤン・ヴァン・デル・ローストの「アルセナール」。
前の曲の影響もあってかジーンときちゃいました…。

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楽しい演奏会でした。
ただ、最後にひとつだけ。
あまり言いたくないのですが、やっぱり、観客が少なすぎると思います。
総客席数1802を誇る文京シビックホールの大ホールに3割か4割くらいの観客。
少し残念ですね。
お客さんの数によっては、ホールの響き方も変わると思うし、何とかならないものかなぁと浦和のオヤジは、勝手に思った次第。
演奏の質は満足できるものなのにもったいないですよ。
ともかく、今後も期待します!

最近、遅筆でスミマセン…。


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