浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

浦和吹奏楽団 第20回記念定期演奏会

2014-06-24 20:12:15 | 吹奏楽

2014年(平成26年)6月15日、日曜日。
この日は、私の地元でのコンサートです。
場所は、埼玉会館。
当然の如く、前は何度も通ったことがあるのですが、残念ながら一度も訪れたことのないホールでした。
浦和駅から、徒歩6分。
埼玉県庁のすぐそばにあるのが、埼玉会館です。
「埼玉会館のメインである大ホールは木のホールです。」とHP上でも案内がある通り、ホール内は内装部分はもちろん、座席にまで木を使用した温かみのある感じが素敵です。(座席数1315)
それに昭和41年に建てられたと言いますから、50年近い歴史があるわけですが、そんなに古さを感じさせませんね。

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そして、この日の主役は「浦和吹奏楽団」です。
ここ2年連続で吹奏楽コンクールで西関東支部大会まで進んでいる実力のあるバンドです。(私も一昨年の西関東大会、昨年、一昨年の埼玉県大会で演奏を聴かせて頂きました。)
どのような演奏をして頂けるのか非常に楽しみです。

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指揮の山田昌弘氏の名前をどこかで聞いたことがあるなと思ったら、つい先日(5/23)、東京芸術劇場で行われたNTT東日本東京吹奏楽団の指揮者の方ですね。
創団の頃から活動されているようですから、20年の時を経ているわけです。
部外者の私でも、“重み”を感じますね。

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コンサートは2部制になっていて、前半が「第20回記念ステージ」、後半が人気作曲家の清水大輔氏を迎えてのステージです。
さあ、そろそろ開演のようです…。

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[演奏]浦和吹奏楽団
[指揮]山田 昌弘

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1st Stage ~第20回記念ステージ~

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◆ 彩雲の螺旋~吹奏楽のための(中橋 愛生)
◆ 2014年全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅴ
   きみは林檎の木を植える(谷地村 博人)
◆ 翳りゆく部屋 (荒井 由実/arr.岩井 直溥)
◆ 交響曲第5番 ニ短調 作品47より 終楽章(D.ショスタコーヴィチ/arr.C.ライター)
◆ ミュージカル「レ・ミゼラブル」より(C.M.シェーンベルク/arr.森田 一浩)

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2nd Stage ~清水大輔氏を迎えて~

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◆ 蒼氓愛歌~三つの異なる表現で~(清水 大輔)
◆ 美女と野獣(A.メンケン/arr.清水 大輔)
◆ リンカーン(清水 大輔)
   1楽章『Honest Abe』
   2楽章『As President』
   3楽章『The War』
   4楽章『11/19/1863 and Finale』

[ナレーション]泰 勇気

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最初の曲は、吹奏楽を愛する者には人気の高い作曲家、中橋愛生氏の「彩雲の螺旋」。
プログラムの解説を見させて頂きますと、何でも中橋先生の“爆発的ヒット曲”、「科戸の鵲巣」の姉妹作と位置づけられている作品だとか。
「彩雲(さいうん)」とは、「仏教の世界において吉事の前触れとされる五色の雲のこと」だそうで、「流れる雲が陽に照らされることによって様々な色を放つ様を現して」いる色彩感あふれる曲でした。
浦吹の演奏も表現力豊かな演奏だと思いました。
最初は、初めてのホールなので少し“響き方”に戸惑いましたが、徐々に慣れてきましたね。
そして、慣れるにつれて演奏を楽しめました。
ただ、少しだけ、ダイナミクスの幅が狭く感じられたかなぁ。
2曲目は、課題曲Ⅴ。
メロディらしいメロディもない難曲です。
だから、表現するのが難しい。
素人のオヤジが思うに「動」と「静」との対比をどう表現するかによって、この曲の完成度が高まってくると思う。
浦吹の演奏は、なかなかのもので雰囲気を出していたとは思いますが、少し、「静」の部分が希薄に感じました。
つまり、元気が良すぎた…。(あっさりした演奏でした。)
ところで、浦和吹奏楽団はプログラムの1番目と2番目の曲でコンクールに挑むのでしょうか?

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次は雰囲気がガラッと変わってユーミンです。
先日、亡くなられた岩井直溥先生の名アレンジによる演奏です。
何でも第10回定期演奏会でトランペット奏者、エリック宮城氏を迎えて演奏した曲でもあるのだそうです。
懐かしさを感じさせてくれるような演奏でした。
そして、トランペットソロの三木洋平さん、ブラヴォーでした!
4曲目、お馴染みショスタコの5番。
これは、とても良い演奏でした。
音が、響いてましたねぇ。
この曲、浦吹にあってますよ、きっと。
一昨年の宇都宮市文化会館で聴いた全国大会、名将、塩谷晋平先生の最後の晴れ舞台となったブリジストン吹奏楽団久留米の演奏を思い出させてくれました!(ただ、最後に金管がバテ気味だったのが残念でしたが…。)
さて、前半、最後の曲は「レ・ミゼラブル」です。
森田一浩編曲版の演奏です。
吹奏楽の演奏会で何度聞いたかわからないくらい度々、演奏されている曲ですが、吹奏楽にあまり縁のない方でも楽しめますね。
この日も、大いに盛り上がりました…。

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休憩です。
やっとホールの響きに慣れてきました。(最初は独特の“乾いた音”のように聴こえて戸惑いましたが…。)
前半の浦和吹奏楽団の演奏を聴いて思うこと。
どちらかと言うとスローなしっとりとした曲よりも、アップテンポで華やかな曲の方が似合うサウンドだなと思いました。
さて、後半は人気作曲家清水大輔特集です。
さあ、始まります!

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後半、最初の曲は、「蒼氓愛歌」。
この曲は、今年の3月16日、文京シビックホールで行われた“響宴”で川越奏和奏友会吹奏楽団の演奏で聴かせて頂いたことがあります。(“響宴”については、私のブログをご覧下さい。http://blog.goo.ne.jp/urawa_kappa/d/20140422
清水先生らしい激しさのあるステキな曲です。
浦吹もある意味、“過激”な演奏で魅了してくれました。(ハンドベルが効果的でした。)
続いて、清水先生の編曲で「美女と野獣」です。
これも「レミゼ」と同じく老若男女、誰でも楽しめる曲です。
美しいメロディが会場にあふれるとホールが、即席の映画館になったようにも思えます。
少し、音程に不安を感じる部分もありましたが、観客を幸福な気分にさせてくれるのには十分な演奏でした…。

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さて、トリの曲は、「リンカーン」。
浦和吹奏楽団第20回記念委嘱作品です。
清水先生の作品、「マン・オン・ザ・ムーン」「ロスト・ムーン」と同様、朗読の付く吹奏楽曲です。(そう言えば、近いところではNTT東日本東京吹奏楽団の演奏会で「ロスト・ムーン」を聴いたばかりですね。)
題名の示すごとく、アメリカ第16代大統領リンカーンのを題材にした作品。
偉大な大統領であったリンカーンの劇的な生涯と同様に実に壮大な楽曲でした。
ナレーションの入る意味もわかる気がします。
まるで映画をみているようなひと時でした…。
(清水先生も会場にお見えになっており、楽しく“楽曲解説”をして下さいました。)

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アンコールは以下の通りです。(アンコールまで“清水大輔特集”でした。指揮の山田先生のクラリネットソロも良かったですよ。)

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浦和吹奏楽団の20回記念定期演奏会が終わりました。
一口に20回と言っても、その間、いろいろなご苦労があった事とご推察申し上げます。
しかしながら、この日を無事に迎えられたことは、地元の人間として誠に喜ばしく嬉しい限りであります。
本当におめでとうございます。
これからも、一層のご活躍、心よりお祈り申し上げております。
最後に“コンクール頑張って下さいね!”
と思いながら浦和のオヤジは、自転車で自宅へ帰るのでした…。

(度々の遅筆、お許し下さい。)