昨年のデアクライス・ブラスオルケスターは残念でした。
一昨年、全国大会で「金賞」という輝かしい成績を残しました。
ところが、去年は、都大会予選で「金賞」を取りながらも、都大会に進めなかった…。
同じ井潤作品で臨んでいるのに何が悪かったのでしょう?
コンクールのために活動しているわけではないでしょうが、この落差は、大きいですね。(埼玉県でも同じようなことがありました…、伊奈学園OB…。)
そして、文京シビックホールで行われた昨年の第4回に続いて今年も、定期演奏会に伺わせて頂きました。
場所は変わりまして、東京芸術劇場です。
2014年6月8日、日曜日。
休日とあって芸劇のある池袋西口公園では、何か催し物をやってますね。
出店があったり、公園内のステージの上では、歌を歌ってます。
平和な日本の原風景です。
あと、個人的にこの日は“挑戦”させて頂きました。
そう、以前、春日部共栄高校の演奏会終演後にそのまま岡山学芸館&東海大高輪台のコンサートへ向かった、いわゆる“演奏会のハシゴ”やったことがありますが、この日もやらせて頂きました!
今回は、デアクライス終演後に埼玉栄高校の夜の部に行くという計画です。(池袋⇒大宮の移動でございます。)
余計な事はこれくらいにして、当日の演奏会の話題に戻しましょう。
昨年のコンクールの結果もあって、デアクライスの皆さんも気合が入っていることでしょう。
佐川聖二先生の指揮のもと、どのようなパフォーマンスを見せて頂けるか非常に楽しみです。
前回、東京芸術劇場訪問(NTT東日本東京吹奏楽団の定期演奏会)と同様、3階席に陣取って開演を待ちました…。
[演奏]デアクライス・ブラスオルケスター
[指揮]佐川 聖二(常任指揮者)
【第1部】
◆ 祝典序曲(D.ショスタコーヴィチ/arr.D.ハンスバーガー)
◆ 喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション(F.レハール/arr.鈴木 英史)
◆ ラ・フォルム・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ(天野 正道)
【第2部】
[サクソフォン独奏]須川 展也
◆ BIRDS-アルト・サクソフォン吹奏楽のための協奏曲より(真島 俊夫)
第1楽章 スワロー
第2楽章 シーガル
◆ エスクヮロ、オブリヴィオン、リベルタンゴ(A.ピアソラ/arr.啼鵬)
【第3部】
[オルガン独奏]中村 文栄
◆ 交響曲第3番 ハ短調「オルガン付き」より(C.サン=サーンス/arr.M.ハインズレー)
第1楽章
第2部 Poco Adagio
第2楽章
第1部 Allegro moderato ? Presto
第2部 Maestoso ? Allegro
開演しました。
最初の曲は華やかなショスタコの「祝典序曲」ですね。
私の若い頃には、様々な吹奏楽団が競って演奏した曲です。
最初のファンファーレ、ビシッと決めて欲しかった。
曲の途中でも少し、アンサンブルの乱れがあったような…。
でも、さすが実力のある団体らしく最後はきっちり決まりました。
続いては、オペレッタの名曲です。
こういう歌劇系の音楽は、やっぱり表現力が重要になってきます。
“大人の魅力”を見せて頂けるでしょうか?!
最初の曲と打って変わって、見事にまとまった演奏でした。
メロディを生き生きと演奏していて、楽しめました。
このバンドのサウンドに合っている曲のように思いました。
力強い演奏に客席も大いに盛り上がっていましたよ!
第1部、 最後の曲は、天野正道先生の“題名の長い曲”です(笑)
でも、この曲、とってもいい曲ですよね。
特に出だしが色っぽい。
大好きです。
昨年の全日本吹奏楽コンクール、大学の部でこれまた佐川聖二先生が指揮をされている文教大学が、この曲で見事なサウンドを聴かせてくれました。
本音で言うと昨年の大学の部は、神奈川大学(三善晃先生の“魁響の譜”を演奏)の“一人勝ち”かなと思っておりましたが、それに負けず劣らずの素晴らしい演奏を見せてくれた文教大学吹奏楽部には驚かされました。
この日の演奏も大人っぽい演奏で素敵でした。
音楽の流れを確実に掴んでいて印象が良かったです。
でも、文教大学に比べて少し、艶っぽさが足りなかったかな…。
それと、最後、金管楽器が少しバテちゃいましたかね?
いいホールで実力のあるバンドの演奏を聴くのは、非常に嬉しいものです。
さあ、第2部は、いよいよ須川展也先生の登場です!
須川先生は、東京芸大出身のサックス奏者で輝かしい経歴の持ち主の方ですね。
長らく、東京佼成ウインドオーケストラのコンサートマスターを務めておられましたが、2010年に退団され、現在はソリストとして活躍のかたわら、ヤマハ吹奏楽団の常任指揮者など多岐に渡って活動されています。
今回、演奏して下さる真島俊夫先生の作品は、須川先生の委嘱によるものです。
実は、この曲、どこかのコンサートで聴いたことあるんですよね。(しかも、須川先生の演奏で。)
どこだったろう?
忘れちゃったなあ。(それとも記憶違いか。)
そう言えば、2曲目のピアソラの曲も聴いたことある…。
いずれにせよ、暫しの間、須川先生のサウンドに酔いしれたのは間違いありません。
テクニックは言うまでもなく、あの甘い音色は、どうやったら出せるのでしょう!
艶っぽくて、優しくて、輝いている…。
これは、人間の心を和ませる一級の“音楽”ですよ、間違いなく…。(この後、須川先生は、観客の拍手に応えアンコール曲として、カーペンターズの「青春の輝き」を演奏して下さいました。)
さて、最後のステージは、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」です。
荘厳で格調高い曲です。
しかも今回は、パイプオルガンとコラボすると言う。
楽しみですね。
そして、演奏を聴いてみて思ったのは、やっぱりパイプオルガンが加わるとスケールがデカくなりますね。
素晴らしい!
少しだけワガママを言わせてもらえるのならば、もう少し演奏者の人数がいた方が良かったかも知れません。
すると、もっと迫力があったと思います。
鳴り止まぬ拍手にアンコールです。
1曲目は、私も大好きな曲、J.ヴァン=デル・ローストの「カンタベリー・コラール」。
とても良い演奏でしたが、何かサウンドが、いつもより厚いと思っていましたら、パイプオルガンも参加しているではありませんか!
これは、非常に良かった!
厳かな曲がより格調高くなりました。
オルガニストの中村文栄さんの奏でるパイプオルガンの音色が会場を魅了したひと時でした…。
そして、アンコール2曲目。
割とアンコールで演奏されることの多い「宝島」です。
何と須川先生も参加されての演奏。
盛り上がりは、最高潮に達しましたね!!
デアクライス・ブラスオルケスター。
2年連続で演奏会に行かせて頂いたのも何かの縁です。
今年こそ、コンクールでのご健闘をお祈りしています。
新潟で演奏を聴かせて下さいね。
演奏会終了後すぐに、まだ興奮している心を落ち着かせながら、ダブルヘッダー第2試合に向かうため、池袋駅へと急ぐ浦和のオヤジでした。
湘南新宿ラインに飛び乗り、いざ大宮ソニックシティ大ホールへ。
“待ってろよ!埼玉栄高校吹奏楽部!”