浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

川越奏和奏友会吹奏楽団 第38回定期演奏会

2014-06-01 20:39:30 | インポート

昨年に続いて、川越奏和奏友会の定期演奏会に行かせて頂きました!
1年振りの川越です。
日曜日ということもあって、相変わらず駅前は賑やかです。
“小江戸川越”のネームバリューは最近、凄まじいものがありますね。
観光客のような方が数多くいらっしゃいますよ。
地方からのお客さまだけではなく、副都心線を通じて神奈川県方面と乗り換えなしに行き来できるようになったのが大きいんじゃないでしょうか?

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余計な事を書きすぎてしまいました。
今回のブログ記事は、「“小江戸川越”観光の巻」ではございません。
我が埼玉県が誇る「川越奏和奏友会吹奏楽団 第38回定期演奏会」のために浦和から荒川を越えてやって参りました。
時は、2014年5月25日、日曜日。
場所は、川越市市民会館、大ホール。

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昨年は、福岡まで行って、職場一般の部の全国大会を拝見させて頂きました。
当然、川越奏和の皆さんも出場しておられましたが、まさかの銀賞。
大変、良い演奏だと思いましたが、実に残念でした…。
定期演奏会の方に話を移しましょう。

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[演奏]川越奏和奏友会吹奏楽団
[指揮]佐藤 正人(音楽監督・常任指揮者)

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【第1部】

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◆ 札幌オリンピック・ファンファーレ(三善 晃)
◆ 「吹奏楽のための祝典序曲」白銀の祭典(矢代 秋雄)
◆ クロス・バイ マーチ(三善 晃)
◆ スターズ・アトランピック’96(三善 晃)
  Ⅰ.Encounter(出会い)
  Ⅱ.Joy and Sorrow(哀歌)
  Ⅲ.Celebration(祝祭)

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~休憩~

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【第2部】

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◆ 交響組曲「シェエラザード」(リムスキー=コルサコフ/arr.佐藤 正人)
   第1楽章《海とシンドバッドの船》
   第2楽章《カランダール王子の物語》
   第3楽章《若い王子と王女》
   第4楽章《バグダットの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲》

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シンプルなプログラムです。
でも、力量がないと、こなせないプログラムです。
さすが、川越奏和、シブいです。
第1部は、矢代秋雄先生の作品1曲を除いて、オール三善作品です。
三善晃先生は、クラシックファンなら、知らぬ者のいない日本クラシック作曲界の大御所ですね。
桐朋学園大学の学長や東京文化会館の館長を歴任されながら、たくさんの作品を残されています。
残念なことに昨年の10月、80歳でご逝去されました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
さて、ステージでは、「札幌オリンピックファンファーレ」に続いて、矢代秋雄先生の「『吹奏楽のための祝典序曲』白銀の祭典」が演奏されました。
「札幌オリンピックファンファーレ」。
私は、オヤジですから、札幌オリンピックが開催された1972年には小学生でございました。
スキージャンプ70m級(現在のノーマルヒル)で、笠谷、金野、青地の3選手が「金」「銀」「銅」を独占し、“日の丸飛行隊”と呼ばれたことやフィギュアスケートでは、アメリカのジャネット・リン選手が「銀盤の妖精」と言われて大人気であったことを覚えています。(このブログを読んでいる学生の皆さん!上記の事実はチンプンカンプンだと思います。知りたい方は、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに聞いてみましょう!)
なのにですよ、この三善先生が作曲された「札幌オリンピックファンファーレ」は覚えてないんですよ。
1964年の東京オリンピックのファンファーレは、何となく知っているのにどうしてなんでしょう?
不思議です。
演奏の方は、女性のトランペット隊の皆さんが頑張って頂きました。
“完璧”とは行きませんでしたが、明るい音色が会場を支配しました。
間髪いれず、八代先生の作品です。
この曲も札幌オリンピックのために委嘱されたもののようですね。
真駒内競技場であった開会式の序曲として演奏されたとのこと。
明るく華やかなファンファーレ、それとどこか一線を画すメロディ。
そして、見え隠れする独特の節回し…。
この、わずか6分余りの曲の中に見所満載です。
一見単純な曲のようですが、実に奥が深いこの曲を観客の負荷にならないようサラッと演奏できる奏和の力量に感銘を受けました!
さて、3曲目は、1992年度の全日本吹奏楽コンクールの課題曲であった「クロス・バイ・マーチ」。
懐かしい!って言いたいところですけど、私個人は、あまり馴染みがない。
あの頃は、“音楽”“吹奏楽”とはかけ離れた生活をしておりましたので…。
しかし、20年以上前の作品なのに全然、色褪せた曲に感じない。
いや、かえって新しさすら感じます。
そして、川越奏和の素晴らしい演奏で、昔の思い出のある課題曲としてではなく、最近、作曲された“新曲”のような気持ちで聴かせて頂きました…、感無量。
第1部、最後の曲は、「スターズ・アトランピック’96」。
“解説”によりますと、1990年にアメリカ、ジョージア州アトランタにあるエモリー大学音楽部からの委嘱作品だそうです。
「若い世代の交歓の場に贈る音楽」として作曲されました。(曲名の由来は、1996年に夏季オリンピックの開催地として決定していた“アトランタ”と“オリンピック”をもじったようですね。)
曲は3つの楽章からなり、連続して演奏されます。
聴いてみますと決して安易な曲ではなく、スピード感のある曲です。
特に最後の方に“和”テイストのあるメロディ(三善先生ご自身の作品、バレエ音楽「竹取物語」のフレーズ)も出て来て、大変盛り上がりそうな曲です。
アンサンブルリベルテのように甘いサウンドではないけれども、アクセントのつけ方が上手でストレートで雑味のない奏和のサウンドは、この曲にピッタリです。
素敵な演奏でした!

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休憩中、思うこと。
それにしても、このホール響きませんなぁ。
奏和の実力を持ってしても…、そう感じます。
色々、シガラミもあるのでしょうけど、もう少し良い環境で奏和の定演を聴きたいものです。(去年もこのブログで同じようなことを書いてますね、私は。)

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続いては、第2部です。
「シェエラザード」全曲。
今回は、指揮の佐藤正人先生の“新”編曲のようですね。(と、司会の水野潤子さんがおっしゃっていたような気がする。もしかしたら、何かと混同している記憶違いかも知れません。自信なし。間違っていたら、ゴメンナサイ。)
どうなんでしょう、奏和には、やっぱりオリジナル作品の方が合うんじゃないのかなぁ?
と思いつつも、心は興味津々です。
「シェエラザード」と言えば、私が学生の頃は、コンクール自由曲として、よく流行りました。
いつの間にか、忘れ去られたようになりましたが。
個人的には、2楽章が好きですね。
冒頭のファゴットが奏でる物悲しいメロディに心を癒されます。
演奏が始まり、あっと言う間に終わりました。
そして、豊かな気持ちになりました。
安心して、聴けました。
でも、多少、重厚感に欠けるかな。
オーケストラの演奏と比較してと言う意味ではなく、オーケストラ編曲モノを演奏する吹奏楽のサウンドとして…。(あくまでも個人的意見です。ご不快に思われる方はお許し下さい。)
最初にも書きましたけど、やっぱり、川越奏和には吹奏楽オリジナル作品が合うような。
だって、その方が“完璧”だもの。

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アンコールは、今月、亡くなられたばかりの岩井直溥先生に敬意を表して、先生の名曲「ポップス・イン・ボレロ」。
いわゆるラヴェルの「ボレロ」をポップス、ジャズ風にアレンジした楽曲です。
単に“編曲した”という感じではなく、ひとつのオリジナルの完成された楽曲になっています。
奏和の卓越したパフォーマンスで会場も大盛り上りでした!

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定期演奏会は、終わりました。
楽しかった!
また、来年もオジャマしますよ!
帰りは、少し遠いけど、歩いてJR川越駅まで向かいました。
西武線の本川越駅の方に行くと観光客とか人ごみになっちゃうので、わざと観光コースを外して歩きました。
ただ、川越八幡宮にはお参りさせて頂き、これからも“良い音楽”との邂逅をご祈念申し上げました。

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川越駅から車中の人となった武蔵浦和のオヤジは、川越奏和奏友会吹奏楽団は、今年のコンクール自由曲は、何を選ぶのだろうと考えておりました。
「この日のプログラムの中にあるのだろうか?」「まさか『シェエラザード』じゃないだろうな?」と考えておりましたら、武蔵浦和に到着…。
それでは、またお会いしましょう!(遅筆、お許し下さい。)