浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

東京都交響楽団 第752回 定期演奏会Aシリーズ

2013-05-18 09:42:21 | オーケストラ

若い頃は、ブルックナーやマーラーは苦手でした。
ものすごく、重苦しく、なんだか暗い気持ちになってしまう。
私にとって、そんな“音楽”でした。
ところがオジサンと呼ばれ、自分でも身体の衰えを少しずつ感じるようになってきた頃から、彼らの“音楽”を欲するようになってきました。
特にブルックナーは、作曲者の叫びが聴こえてきそうな気がする。
喜怒哀楽、全ての感情を音にして表現されているように思えるのです。
私はオーケストラの事は何もわからない門外漢ですが、心に響く“音楽”を求めて、この日はやってまいりました。

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2013年5月9日、木曜日。
上野の東京文化会館です。
懐かしいですねぇ。
ずいぶん、久し振りですよ。
20数年以上前、アルバイトのために足繁く通ったものです。
(その当時、舞台袖でサイモン・ラトル指揮、バーミンガム市交響楽団のマーラーの1番を聴き感動したのを思い出します。)
ですが、あまりにも昔すぎて、よくホールのことを覚えていないというのが本音ですけど…。

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今年の初め、池袋の東京芸術劇場で開催された「インバル=都響新マーラー・ツィクルスⅤ」を聴かせて頂く機会がありました。
マエストロ・インバルと都響の見事なパフォーマンスにいたく感銘を受けましたので、ブルックナーも聴いてみたいという思いが募り、この日に至ったわけであります。

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[演奏]東京都交響楽団
[指揮]エリアフ・インバル
[コンサートマスター]山本 友重

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● ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」  (W.A.モーツァルト)
Ⅰ アレグロ 変ホ長調
Ⅱ アンダンティーノ ハ短調
Ⅲ ロンドー プレスト
[ピアノ]児玉 桃

《 休 憩 》

● 交響曲第9番 ニ短調(ノヴァーク版)  (A.ブルックナー)
Ⅰ 荘厳に 神秘的に ニ短調
Ⅱ スケルツォ 動きをもって、いきいきと ニ短調
Ⅲ アダージョ ゆっくりと、荘厳に ホ長調

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何十年か振りにホールに入りました。
何となく、記憶が甦ります。
下手(しもて)側、壁際の1階席という良いんだか、悪いんだか、わからない席に陣取りまして聴かせて頂きました。
それにしても古いホールですから、仕方ないんでしょうが、座席が少し狭いかな。
私のようなメタボ体型のオヤジにはちょいとキツイ。(だったら、“痩せろ”と言われそうですが…。)

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開演です。
最初はモーツァルトのピアノ協奏曲です。
いやあ、心地いい“音楽”です。
たまらなく美しい。
ピアニストの児玉桃さんの奏でるメロディの輪が会場いっぱいに広がっていくようです。
仕事のため、朝5時起きであった私は、あまりの心地よさに夢の中に連れて行かれそうになりました…。
イカン、イカン。
とにかく、それほど、心が和みました。

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20分間の休憩です。
客席から外へ出てみると、結構広いロビーなのに人で溢れかえっています。
ほぼ、満席状態でしたからね。(サントリーホール、東京オペラシティコンサートホール、東京芸術劇場と比較してみても若干客席多め、2,303席の大ホールです。)
このような状態になるのは、あたり前かもしれません。
それにしても集客力がスゴイですなあ。

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後半はブルックナーの9番です。
ご存知のとおり、ブルックナーが作曲途中で他界してしまったので、完成したのは3楽章までです。
ブルックナーが残した遺稿をもとに終楽章を書き加えた校訂版で演奏される場合もあるようですが、この日はこの曲のポピュラーな演奏のされ方、完成していた3楽章(ノヴァーク版)の演奏です。(そういえば、最近、ラトル=ベルリンフィルの最終楽章付きの「補筆完成版」というのを購入しました。)

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想像していた通りの演奏でした。
私には難しいことはわかりませんが、舞台上で独特の世界が広がっていることは意識出来ました。
やっぱり、ブルックナーはいい!
そう、思いました、少なくとも私は。
満足感に包まれながら、上野駅から電車に乗りました。

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(オーケストラは私にとって難しくて、よくわからない部分があるので、書くのに時間がかかってしまいました。申し訳ありません。この日の3日後に行った「デアクライス・ブラスオルケスター」の方がブログ記事としては、先になってしまいました…。)