浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

岡山学芸館高等学校吹奏楽部&東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部 JOINT CONCERT2013

2013-05-08 01:30:49 | 吹奏楽

春日部共栄高校吹奏楽部の心地よい演奏の余韻に浸る間もなく、私は池袋駅より地下鉄の車上の人となりました。
目指すは江東区住吉です。

2013年5月5日、池袋の東京芸術劇場で行われた「春日部共栄中学高等学校吹奏楽部第27回定期演奏会」を聴き終わったあと、その足で「岡山学芸館高等学校&東海大学付属高輪台高等学校Joint Concert 2013」が開催されるティアラこうとう(江東公会堂)へと向かったのでした。
そうです、お察しのとおり、初めて、コンサートのハシゴをやったのです!(飲み屋のハシゴはやったことは数限りなくやったことがありますが…。)

東海大学付属高輪台高校吹奏楽部は定期演奏会にも複数回行かせて頂いたり、伊奈学園とのジョイントコンサートや「もうひとつの全国大会」、近いところでは府中の森芸術劇場で行われたJWECCなど数多く演奏を聴く機会がありました。
安定した技術力を持ち全国大会常連の名門校です。
今年は最後の“3出”でコンクールは出場できないようですが、どのような活動をするのでしょうか?
楽しみですね。

岡山学芸館高校吹奏楽部との出会いは普門館で行われた一昨年の全日本吹奏楽コンクール高校の部でのことでした。
洛南高校の伝説の名演で知られるスミスの「華麗なる舞曲」を素晴らしいテクニックを駆使した演奏をし、忽ち私を虜にしてしまった団体です。
昨年は残念ながら、コンクールで“生演奏”を聴くことはできませんでしたが、CDで聴いても何せサウンドが私好み。
高輪台とのジョイントコンサートがあると聴き、是非にも行ってみたいと思いましたが、何とこれまた以前から楽しみにしていました春日部共栄と同じ日ではありませんか。
一度はあきらめましたが、時間に多少のズレがあるので「ハシゴ」にチャレンジする事にしました。(全部は聴けないでしょうけど…。)

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会場の「ティアラこうとう」は初めて行くホールですね。
江東区のHPによると大ホールの座席数は1,234席。
単純に数的には中規模のホールでしょうか。
それよりも“響き”が大事ですよね。

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当然のことですが、“ハシゴ”なので少し遅れました。
東京メトロ住吉駅から地上に出ますと大きな運動公園が広がり、野球場ではゴールデンウイーク真っ只中のためか大ぜいの人で賑わっています。
そんな幸せそうな人々が集う空間をしり目に先を急ぐと3~4分で「ティアラこうとう」に到着しました。
入口では人の良さそうな守衛さんが私に近付いてきました。
「大ホールへ行かれますか?」
私がそうだと言うと丁寧に入口を教えてくれました。
「もう、始まっているみたいですから、お急ぎになった方がいいですよ。」
守衛さんに礼を言い会場入り口へと急ぎました。
そう言えば、開演10分過ぎている…。

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まず、プログラムをご紹介しましょう。

【演奏】岡山学芸館高等学校吹奏楽部 (岡山県)
    東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部 (東京都)
    皇學館高等学校吹奏楽部 (三重県)
    富山県立新湊高等学校吹奏楽部 (富山県)
    安城学園高等学校吹奏楽部 (愛知県)
【指揮】中川重則、畠田貴生、前川幸生
【ゲスト指揮】丸谷明夫(プログラムにはお名前が載っておりません。)
【特別協力】なにわ《オーケストラル》ウインズ

「第一部」

● ジュビリー序曲  (P.スパーク)
● 祝典序曲  (D.ショスタコーヴィチ)
● エル・カミーノ・レアル  (A.リード)
● 第六の幸福をもたらす宿  (M.アーノルド)
● 春の猟犬  (A.リード)

「第二部」

● 陽はまた昇る  (P.スパーク)
● 2013年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ“勇者のマズルカ”  (三澤 慶)
● 2013年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ“復興への序曲「夢の明日に」  (岩井直溥)
● 2013年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅱ“祝典行進曲「ライジングサン」  (白岩優拓)
● 2013年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ“エンターテイメント・マーチ”  (川北栄樹)

「第三部」

● ヘイジュード[ビートルズ]  (J.レノン&P.マッカートニー)
● 夜桜お七  (三木たかし)
● ラテンスペシャル21!!  (畠田貴生構成)
● ワールドイズマイン[初音ミク]  (ryo)
● ローマの松  (O.レスピーギ)

プログラムを見ますと学芸館と高輪台だけではなく他の高校も参加するようですね。
調べてみますと皇學館高校、新湊高校はそれぞれの支部大会でも活躍されている実力校のようです。
そして、安城学園は全国大会にも度々、出場されている名門校ですよ。

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受付で手続溥きを済ませホールの1階席に向かいました。
おやおや、1階席の半分くらいが立入禁止になっています。
何でも出演者の席になっている模様。
一般の観客席は、ほとんど埋まっていましたが、何とか座ることが出来ました。(もう少し、客席の多いホールでやればいいのに…。)

舞台には、お馴染み赤いブレザーの高輪台の皆さんがいますねぇ。
遅れて入りましたので1曲目の「ジュビリー序曲」は聴けませんでした…。
2曲目のショスタコの「祝典序曲」からの鑑賞となりました。
指揮の畠田先生が舞台袖から出て来ましたが…。
昨日の大阪での演奏会のため腕が痛いと言われ、代わりに指揮をと観客席にいた丸谷明夫先生を無理やり引きずり出し?ました。(何と私の席のすぐ後ろにいらっしゃったのです!)
丸谷先生は、全日本吹奏楽連盟副理事長を務められている、吹奏楽の世界では知らぬ人がいないと言っていいくらいの指導者です。
大阪の淀川工科高校を長年指導され、全国大会金賞常連校としての“淀工”の歴史を作り上げておられます。(現在でも)
その丸谷先生の突然の登場に会場が沸きました!
演奏は決して完璧なものではなかったですが、しっかりと「丸谷ワールド」が存在するパフォーマンスでした。

初めて訪れた「ティアラこうとう」。
わりと音響も良く感じます。
それにしても、高輪台、とても良いサウンドなのだけれど少し、このホールでは音量過多かなあ。
次の「エル・カミーノ・レアル」でも、そう思いました。
4曲目は演奏団体が変わって三重県の皇學館高校になりました。
確かにミスがなかったわけではありませんが、柔らかいサウンドで「第六の幸福をもたらす宿」を歌い上げ、好感の持てる演奏でした。
第一部、最後の曲は、ご存知アルフレッド・リードの「春の猟犬」です。
演奏は岡山学芸館高校。
一音目を聴いた瞬間、一昨年の普門館での記憶が蘇りました。
「華麗なる舞曲」の見事な演奏に感銘を受けたことです。
特に独特なサウンドが素晴らしい!
柔らかくて、それでいて輝きがあり、音色が揃っているので雑味がない、そんな風に感じるのです。(イギリス的な音色なのでしょうか?)
もちろん、演奏も素敵なものでした。

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休憩です。
ロビーでは丸谷先生が人気でサインを待つ列が出来ています。
先生は嫌な顔ひとつせず、気さくにサインや写真に応じられておられました。
人柄がにじみ出ているような光景でした。

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第二部の最初の曲の演奏は本日の演奏会に参加している各学校の1年生の演奏です。
曲は人気のスパークが東日本大震災復興支援のために作曲した「陽はまた昇る」。
確かに未熟な部分がありましたが、心が温まる演奏でした…。
次は課題曲4曲。
学芸館と高輪台が演奏しました。
(この課題曲の演奏の合間に“なにわ《オーケストラル》ウインズ”のメンバーが「ニンジンパフォーマンス」を見せてくれました。ニンジンをくり抜き、先端にクラリネットかサックスのマウスピースをくっつけて演奏するというものでした。非常に面白かった。)
これには、“趣向”がありました。
細かく説明すると、課題曲Ⅰでは高輪台が演奏し、指揮をしたのが学芸館の顧問の中川重則先生、課題曲Ⅲでは学芸館の演奏で指揮が高輪台顧問の畠田貴生先生という具合です。
課題曲ⅡとⅣは指揮が丸谷先生に替わり、Ⅱは金管が高輪台、木管が学芸館、Ⅳは金管が学芸館、木管が高輪台でした。
最後には“なにわ《オーケストラル》ウインズ”のプロの奏者も参加して、もう一度、課題曲Ⅱ&Ⅳを演奏しました。
会場に来ていた生徒の皆さんはコンクールに参加するにあたって大いに参考になった事と思います。
ひとつだけ思ったこと。
学芸館の独特のサウンドはやはり、金管パートによるものだと感じました。(金管、学芸館、木管、高輪台の演奏の時に“それ”を確信しました。)

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休憩のあとの第三部。
ダブルヘッダーのオヤジの耳は限界に近付いておりました。
もう帰りたいと思う気持ちもありましたが、最後まで聴かせて頂くことにしました。
学芸館のやった「ヘイジュード」ではマッシュルームカットのカツラを被った“ビートルズ”もどきのバンド演奏は素敵でしたし、“初音ミク”の扮装をしたお嬢さんたちも可愛かった。
高輪台も以前拝見させて頂いたことのある「夜桜お七」で踊る日本舞踊は本格的でした。ラテンのサウンドも弾けてましたよ。
若いっていいですね。
最後は参加団体の全団体の3年生の演奏で「ローマの松(アッピア街道の松)」です。
バンダには“なにわ《オーケストラル》ウインズ”の皆さんも参加しての“大演奏”です。
私の疲れた耳には少し、大きな音量でしたが見事な盛り上がりをみせて曲が終わりました。
ブラヴォー。

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アンコールでは参加校の参加者全員が舞台へ上がっての演奏でした。
彼らの熱意あふれる目が印象的でした。
こういった若者たちがいる日本の吹奏楽界、いや音楽界は安泰だなと思いながら埼玉県まで帰る吹奏楽オヤジでした。
それにしても、疲れた…、明日(5/6)も東京芸術劇場だ…。