昔読んだ外国旅や外国留学などの体験記では、現地の人が日本のことをまるで知らないことに著者が驚き、認知度を上げるべく奮闘する話が結構あったと思う。
日本が地図の中のどこにあるかも知らないし、フジヤマ、ゲイシャ、スシ、テンプラ…のオールドジャパンを思い描いているならまだ良いほうで、まったく何の予備知識もない現地人に著者が呆然とするというような描写もあったと思う。対象の国はだいたいアメリカかイギリスの英語圏先進国だったと思う。
私がそういう本や記事を読んだのはたぶん中学高校時代、1980年代のことで、「日本に無知な現地の人」の話はたぶん1960年代、70年代のことだったのだと思う。
当時の私の感想は「大昔ならともかく、今の時代日本のことを知らないなんてその人が田舎者で無教養なだけなんじゃないか。勉強してないんじゃないの」というものだった、と思う。「ジャパンアズナンバーワン」の時代だったからか「日本を知らないなんてありえるの?」くらい思っていたかも。あと「田舎の人は知らないかも」と、都会と田舎の落差はあると思った。
「思う」「思った」ばかりだが、それは情報化が進んで世界中のことがリアルタイムで分かるようになると、ほんとにそんな時代があったのかと半信半疑になってきたもので…
が、情報化が進んだ現代においても、今度は立場が逆になって同じことが起こってる!と思ったのが、この項を書き始めたきっかけなのであった。
今、アジア各地から外国の人が来ているが、「その国はどこにあるの?」「首都は何と言うの?」と、周囲の日本人善男善女はごく普通に悪びれず聞くのであった。田舎の老人だからかもしれないけど、都会の若者だって似たようなものなのでは…? かく言う私も、地図上の正確な位置を示せと言われたら正解できないし、首都の名前も分からない… たとえばミャンマーの首都は今もヤンゴンだと思っていませんか? 正解はネピドーなのだ。
(昔は覚えていた他国の首都名も今言ってみようと思ったら出てこなくて焦った…伊東四朗氏は世界中の国と首都名を暗記しているそうだが、私も見習おう。)
その国の人たちは、日本人の無知に唖然としたりすることなく、にこにこと自分の国について説明してくれるが、内心はがっかりしているかもしれない。
でもその1人のおかげで周囲の人の母国への認知度がぐーんと上がるのだから、これはすごいことだ。
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