goo blog サービス終了のお知らせ 

上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

「生活の足~これからの公共交通を考える」熊本市民連学習会

2025-04-02 22:03:16 | 熊本市の公共交通問題
憲法が保障する「生存権」としての「移動の権利」
生活に欠かせない「移動」を支える「公共交通」、その確保を

3月29日、熊本市民連絡会主催で、近藤宏一立命館大学教授を講師に、「生活の足を考える~これからの公共交通を考える」と題し、学習講演会が開かれました。 
相次ぐ市電事故、市民の足を守る公共交通への関心は高まっています。これからの公共交通を考えるいい機会になりました。

 

「生存権」を保障する交通、生きるためには「移動」が不可欠
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と、日本国憲法では「生存権」が保障されています。
最低限度の生活に必要なものを得るためには「移動する」ことは不可欠です。そういう意味で、「移動の権利」が保障されなければなりません。
人口減少や高齢化、車中心の社会、そういう状況の中で、「移動の権利」を確保するために、今何から考えなければならないのか、問われています。

「誰の、どんな需要を満たすための交通なのか?」が重要
交通を考えるとき、バスや鉄道などの「交通手段」から出発する傾向が強いのですが、必要なのは「誰が、何をするための交通なのか」を考えることです。
「同じ町のスーパーに行く」のか、「隣町の病院に行く」のかで、おのずと変わります。
はじめてコミュニティバスを成功させた武蔵野市は、「高齢者の外出促進」を目的に、高齢者の移動実態を調査し、それを効果的にサポートする手段として計画、成功しました。
このように「移動の需要」を的確につかむことが重要です。

これからの公共交通・・・新しい交通手段・「ちょっとそこまで」の足
【長崎市「斜面移送システム」】
坂の多い長崎市では、すぐ近くでもバスルートでは大回りになるために、斜面を移動できる「屋外エレベーター」を3カ所に設置しています。
グラバー園へのアクセスも兼ねて「斜行エスカレーター」(グラバースカイロード)も運行しています。

【河内長野市「南花台クルクル」】
道路に誘導マーカーを設置し、自動運転のカート「南花台クルクル」を運行しています。週2日をオンデマンドで、週1日を固定ルート(4ルート)での運行です。

京都府南山城村の「公共交通再構築による行き活き暮らせる村づくり」
以前は村営バスとコミュニティバス(いずれも無料)があったが、利用は低調だった。そこで、周辺3町村合同の「関西本線沿線地域公共交通網形成計画」を策定、村独自に全村域を運行する村営デマンド交通「村タク」を運行、隣町や総合病院への足も確保。3町村の連携による交流人口拡大・安心の出産・子育て環境・雇用創出・支え合いのまちづくり・安全・安心確保・自然や文化の保全などで、多面的な活性化の村づくりです。

地域公共交通計画をコミュニティバスやデマンド交通に矮小化せず、住民の生活実態に基づく必要なサポートは何かをもとに、交通手段の計画をつくることが必要だと、全国の多彩な取り組みを聞き、思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする