そんな彼女の真実に気付かぬまま、農家での住み込みバイト生活は
野菜の生長に合わせ、自然と流れていきました。
その中の思い出の一つですが、出荷が始まると、それまで割と
ノンビリしてた仕事が一変しました。
野菜を切り、レタスの場合は切り口を濡れたスポンジで洗浄し
大きさ、形ごとに分けて箱詰めしていくのですが、その作業の
慌しさ、体力的厳しさもですが、休みの日が不定期になり、体の疲れもあってか
しばらくするとバイト仲間に不満の声が出てきました。
体力的に自信があった当時の私でも、出荷が始まって2ヶ月位経った頃でしょうか
毎日のように休みたいと思うようになり、それが頂点に達した時のある日、
誰が言い出したかは記憶に無いけど、私と籠橋さんともう1人のバイトのW君3人は
仕事を放棄し、早朝宿舎から逃亡し、甲府へ遊びに行くという暴挙にでました。
今思えばよくあんな事が出来たな~と信じらない気持ちですが、若気の至りというのか
それほど悪い事とも思ってなかったような気がします。
朝から午後2時位まで甲府付近にいたと思いますが、そこで何をしてたかは、私に関しては
全く記憶にございません。W君はパチンコをしたと言ってたような記憶はありますが、
籠橋さんは何をしてたか、聞いたとは思いますがそれも全く記憶にございません。
ただ、宿舎へ帰ったときの事はよく覚えています。
宿舎へ帰りTさんに謝りましたが、何故かTさんは怒るでもなく無言でした、
でもその顔は誰が見ても分かるくらい真っ赤に変色していましたが。
続く