霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

内陸旅行(6:無人観測点 -2-)

2018-02-10 22:19:05 | 南極の思い出
夏旅行の帰り点検のため、十日振りに訪れたA1点での無人観測機器は全て順調に作動していました。
次の点検は3ヶ月後の秋旅行でした。A1点に近づくにつれて何かが変で、胸騒ぎがして来ました。色々なものが飛散しており、風車は見えるけど建物が見当たりません。この状況を理解するのにしばらくかかりました。バラバラに破壊されており、一瞬誰が壊したのかとも錯覚しましたが、ここは先日まで人類未踏の地でした。
原因は、床下に置かれた電源用バッテリーが、風力発電機から充電される際に発生した水素ガスが、保温のため密閉された小屋に充満して爆発したものと考えられました。ガス排出用のパイプは飛雪で塞がれてしまったと思われます。掘り出された磁気テープ記録から、開始一ヶ月後に爆発したと判明しましたが、飛散状況から見て凄まじい爆発だったと推測されます。
この報告を受けた日本では、次の隊が過充電防止対策強化や、バッテリー小屋と観測機器小屋とを分離した施設を作って再建しました。

追記:
観測小屋を建てる際にお祓いをしようということになり、土台が組上がった所で、私がにわか神主になり手製の御幣棒を振り、土台四隅に御神酒をかけて無事の完成と観測成功を祈りました。
科学的に儀式と爆発とは無関係だし、こんなことで怒るような神様なんていないと分かっていても、これが悪かったのかなと何度も思いました。