センスは知識からはじまる 水野学 著 朝日新聞出版
くまモンなどを手掛けたクリエィティブディレクターの作者が、センスとは何か、今最も求められているスキルである「センス」を磨くために必要な手法が論理的に説明されていた本でした。「センスのよさ」とは数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力であると作者はこの本の中で定義されています。戦後、日本は技術力、ものづくりの国として成長してきたのですが、世界の中で技術力や商品の完成度では世界のトップクラスとはいえ、トータルではいろいろな国と肩を並べているあるいは抜かれてしまっている原因がセンスにあると説明されています。世界の歴史や日本の歴史を取り上げ、技術が劇的な進化を遂げるとセンスの時代が来て、しばらくするとまた技術の時代がやって来るというサイクルが感じられるということで、現代は、高度経済成長期の技術から美意識を重んじるセンスの時代への揺り戻しの時代に入ってきていると書かれていました。こうした時代に、日本企業が必要なのはつくり手にも経営陣にもクリエイティブなセンス、クリエイティブディレクターが必要だと説かれています。現代は、どんな職種でも、仕事においてでなくても、個人においても、このセンスのよさを磨く必要が求められる時代だということでした。そして、センスは特別な人に備わった才能ではなくて、誰もが等しく持っているものだと書かれていました。誰もが、そのセンスを磨くには、あらゆることに気が付く几帳面さ、人が見ていないところに気が付ける観察力が必要だということで、良いものと悪いものが分かり、普通は何かを知ることが大事ということでした。そのためには、知識の集積が必要だと書かれていました。知識を集積するには、王道から解いて行き、今流行しているものは何かを知り、共通項や一定のルールがないか考えてみるといいそうです。知識の精度とクオリティを上げていく研鑽を積み、センスを磨く意味が力説されていました。この本の中で一番印象に残った文章は、「知識というのは紙のようなもので、センスとは絵のようなものです。紙が大きければ大きいほど、そこに描かれる絵は自由でおおらかになる可能性が高くなっていきます。(中略)すべての仕事は価値を創造していくことで対価を得ています。」と書かれていた文章でした。センスは先天的なものではなくて、誰にも備わっていて、努力と研鑽でセンスを磨けば誰でも「センスのよさ」を得ることができるという新鮮な驚きを教えてくれているような本でした。
くまモンなどを手掛けたクリエィティブディレクターの作者が、センスとは何か、今最も求められているスキルである「センス」を磨くために必要な手法が論理的に説明されていた本でした。「センスのよさ」とは数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力であると作者はこの本の中で定義されています。戦後、日本は技術力、ものづくりの国として成長してきたのですが、世界の中で技術力や商品の完成度では世界のトップクラスとはいえ、トータルではいろいろな国と肩を並べているあるいは抜かれてしまっている原因がセンスにあると説明されています。世界の歴史や日本の歴史を取り上げ、技術が劇的な進化を遂げるとセンスの時代が来て、しばらくするとまた技術の時代がやって来るというサイクルが感じられるということで、現代は、高度経済成長期の技術から美意識を重んじるセンスの時代への揺り戻しの時代に入ってきていると書かれていました。こうした時代に、日本企業が必要なのはつくり手にも経営陣にもクリエイティブなセンス、クリエイティブディレクターが必要だと説かれています。現代は、どんな職種でも、仕事においてでなくても、個人においても、このセンスのよさを磨く必要が求められる時代だということでした。そして、センスは特別な人に備わった才能ではなくて、誰もが等しく持っているものだと書かれていました。誰もが、そのセンスを磨くには、あらゆることに気が付く几帳面さ、人が見ていないところに気が付ける観察力が必要だということで、良いものと悪いものが分かり、普通は何かを知ることが大事ということでした。そのためには、知識の集積が必要だと書かれていました。知識を集積するには、王道から解いて行き、今流行しているものは何かを知り、共通項や一定のルールがないか考えてみるといいそうです。知識の精度とクオリティを上げていく研鑽を積み、センスを磨く意味が力説されていました。この本の中で一番印象に残った文章は、「知識というのは紙のようなもので、センスとは絵のようなものです。紙が大きければ大きいほど、そこに描かれる絵は自由でおおらかになる可能性が高くなっていきます。(中略)すべての仕事は価値を創造していくことで対価を得ています。」と書かれていた文章でした。センスは先天的なものではなくて、誰にも備わっていて、努力と研鑽でセンスを磨けば誰でも「センスのよさ」を得ることができるという新鮮な驚きを教えてくれているような本でした。