徒然にっき'18

OCNブログから引っ越してきました。
文華の日常を綴った、プライベート日記です。

子ども達の優しさに感動する

2011-09-02 22:32:00 | 日記・エッセイ・コラム
学校に着くと、転入生Hが登校を渋っていて、昇降口でだだをこねていた。
久しぶりに来た、「不登校」の兆候だ。


初めて一年生を担任したときも、夏休み明けに同じことがあった。
そして、その「登校をぐずる」行動は、2学期5ヶ月間の間ずーーーっと続いたのだ。


お母さんとH君、校長&教頭で話し合いをする。
本人の意見を要約すると、
「学校は嫌。お母さんと一緒がいい。家に帰りたい。」
ってことである。


埒があかないので、学級に帰ってそのことを伝えた。
すると、我が子達がいろいろ考え始めたのだ。
「きっと、楽しい授業だったら来てくれると思うな。」
「先生、一時間目は体育にしようよ!」


学級のリーダーM君を連れ、校長室へ。
M君「一時間目、一緒に体育やらない?」
H君「やだ。」
M君「だめかぁ…。」


しばらく校長室であーだこーだした後、再び学級に戻ると、我が子達はまだ考えていた。
「好きな勉強なら、きっとやってくれると思うんだよ。H君、なんの勉強が好きなのかな。」
ってことで、今度は同級生のK君を校長室へ派遣。
K君「なんの勉強が好き?」
H君「算数。」
私「じゃあ、一時間目は算数にしようか?」
H君「やだ。」
K君「だめかぁ…。」


そんなこんなで一時間目が終わり、二時間目に突入。
再来週研究授業をする都合上、算数は計画通りに進めなければならない。
K君にトランプ(10~13、ジョーカーを抜いたもの)を渡し、
「校長室に行って、『10をつくる神経衰弱やらない?』って誘ってきてごらん。」
と派遣し、その間に二年生の授業を進めることにした。


K君「トランプならやるって。」
と戻ってきた。
教室の隣の部屋でH君とトランプ開始。
トランプが終わると、次は、
「形の勉強だよ~。」
と言って積み木セットを渡した。
教科書では、ながさくらべの勉強をする予定だった。
二年生の勉強の合間を縫い、長さがばらばらの鉛筆を五本持って隣の部屋へ。
わざとえんぴつの先を全部同じ高さにそろえて見せる。
「くじ引きだよ~。」
二人が一本ずつ引く。
「どっちが長いかな?」
「どうやってくらべたらいい?」
少しだけけれど、予定していた勉強を進めることができた。


お母さんとは、
「二時間目の休み時間が終わったら、迎えに来てもらう。」
という約束をしていたみたいだけれど、雰囲気で三時間目の体育へ連れて行く。
みんなと元気に運動していた。
三時間目が終わる頃、
「お母さんは…?」
とH君が言い出した。
ああ、今日はもう限界ね…。
ということで、迎えに来ていただいた。
(お母さんは予定の時間に来たが、元気に体育をやっている様子を見て、一旦家に帰ったそうだ。)


五時間目は道徳。
「たのしいがっこう」という勉強をした。
いろいろ学校の楽しさについて考えた後、
「みんなが、学校が嫌になるときって、どんなとき?」
と聞いてみた。
「勉強が難しいと嫌。」
とか、
「登校が、歩いてくるのがめんどう。」
「荷物が多いと、足が痛くて大変。」
などと、いろいろ出てきた。


「そういう、みんなも嫌な時があるよってこと、H君に手紙で伝えたら、『みんなも嫌なことがあるのか。』って、安心するかもしれないよ。」
ってことで、手紙を書いてもらった。


放課後、H君宅へ。
みんなからの手紙を渡すと、食い入るように見つめていた。


H君のだだをこねる様子に、
「それって、ただのわがままだよね。」
と言いつつも、どうしたら教室に来てくれるか、真剣に考えてくれた我が子達。
今日は本当に嬉しかった。
このみんなの気持ち、H君にも届くといいな。