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哲学の科学

science of philosophy

物質の人間的基礎(2)

2013-12-21 | xxx7物質の人間的基礎

たとえば「雪は白い」という表現形式は、ふつうに聞けば、客観的事実だといえる。客観的事実であればそれは科学的真実である。雪は可視光線を波長によらず一様に反射するから白い。

雪は白い、ということが真実であると私は知っている。なぜ知っているかというと、私自身が雪を見るといつも白いと感じるからであり、また、だれもがそう感じると私が感じるからである。しかしそれだけではない。次のように理論によっても、雪が白いことがわかる。

つまり、雪は氷の結晶の粉末である。氷は透明である。雪に限らず無色透明な結晶の粉末は白い。無色の結晶の粉末は可視光線を波長によらず一様に反射するから白い。

しかし、可視光線を波長によらず一様に反射する物はなぜ白いのか?それは人間の視覚はそういう光を白と感じるようにできているからである。あるいは、そういうような光を感じる場合、それを(日本語では)白という言葉で表すからである。

絶望するとなぜ頭の中が真っ白になるのか?人間はだれでもそうなのか?吹雪に閉じ込められて遭難した時の記憶を生まれる前の記憶として持っているからなのか?白はなぜ涼しいのか?なぜ清潔なのか?

白は清潔な感じがする、というのは真実なのか?アンケートを取れば90%の人の人はそのとおりと答えてくれます。しかし90%の人がそう感じるならばそれは真実なのか?

人類が誕生する遥か昔、恐竜が大絶滅したころの時代に降った雪も白かったのだろうか?私たちの常識では、当然、雪は白かったはずです。しかし、なぜそう言えるのか?

恐竜たちが「雪は白いね」と(恐竜語で)語り合ったということはないでしょう。「今朝、白い雪が降った」と(恐竜語で)日記に書いた恐竜はいませんでした。雪の反射スペクトルを測定した恐竜はいませんでしたし、観測結果を発表する学会もありませんでした。

恐竜の時代も雪の成分や構造は今と同じはずです。そうであれば、太陽光の反射スペクトルも同じ、つまり水が固体として結晶した場合、その構造の粉末は可視光線を波長によらず一様に反射するから、私たち人間が見れば白色に見える。このことをもって、過去のその時代でも雪は白かったというべきなのか?という問題です。

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