手術は無事終ったようですが、命にかかわるようなものではなかったので、家族はそんなに心配してないでしょう。ほとんど病院に縁がなかったので、これからはもっと深刻な病気になってもおかしくないと心配してくれれば良いのだすが。いやいや甘い 「死んでからのことも考えといてや」ぐらいのことは言い兼ねません。
そんなことはともかく、麻酔で下半身の感覚がありません。下半身が無かったらこんな感じかな、もし、肉体を全部失ったらどうなるのだろう。肉体は外部の情報を得る手段で、得た情報を脳が加工し意識を作る。そうすると、肉体が失われ、情報か得られなくなると、意識も作れなくなり、意識も失われる。そんな訳の分からないことを考えていると、下半身の感覚が戻ってきて、下腹部の痛みが強くなってきました。肉体を取り戻すとはこういうことか。苦痛をどう処理するかだ それが意識なのかもしれない。苦痛、苦しみこそが現世の意識で、お釈迦様の八苦に通じるのだと思ったのです。
明日までは、体にモニターが付けられていて、ベッドから動くことはできません。脚もしびれていて立つこともできそうにありません。お腹が張っていて、ガスが溜まってるのだろうが、手術前にした浣腸の残りが出るような気がして堪りません。看護師さんに差し込み便器をお尻の下に入れてもらい、想像したくもない姿で寝ています。結局、何も出なくて、下腹部の痛みと張りで、不快感200%です。それでもお腹は空いてるらしく、夕食は完食しました。
主治医が来てくれて、下腹部の痛みを訴えろと、痛み止めの点滴をすることになり、「段々、良くなります」と言い残して去っていきました。暫くすると、痛みは和らぎ、後には腹の張りの不快感が残りました。これは寝るしかないと思っていると、自然と眠りに落ちていきました。