「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2005・10・28

2005-10-28 06:10:00 | Weblog
 今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。

 「わが税制は複雑をきわめているから簡単にする必要がある。税金はイヤなものである。私はあれは奪われるものだと心得ている。それではあんまりくやしいからくれてやるものだと思うことにしている。『まる優』は恩恵だと言うがそれは国や税吏の言い草で、預金はあらゆる税を奪われたカスまたは宝だとは何度も言った。
 その預金の零細な利子に更に課税するのは二重三重の課税で、国家ともあろうものが本来してはならぬことで、ドロボーかサラ金のすることである。何が恩恵か。」


  (山本夏彦著「良心的」-夏彦の写真コラム-新潮文庫 所収)

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