若殿の気ままな独り言

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肥満対策に、精神ストレス軽減して減量! 

2014-06-01 10:00:00 | 健康、フィットネス
 体内で消費する以上に飲食すると肥満になる。体重を減らしたいと思ってもなかなか実行できない。糖尿病や高血圧などの慢性病を招く肥満は、先進国に共通する健康問題だ。よい治療法は見つかっていないが、一部で効果を上げている方法が注目を集める。つい飲み食いしてしまう精神的ストレスを軽減して減量につなげる心理療法だ。(以下、日経ライフから一部抜粋)

『  島原病院(京都市)肥満・糖尿病センターの吉田俊秀センター長は1980年代半ば、在籍していた京都府立医科大学で肥満外来を開設して以来、5000人以上の患者を治療してきた。「第一に減量する明確な目的を持つこと。その次に必要以上に飲食する原因であるストレスを調べて取り除く。最後に食事と運動の指導を受ける。この3つが肥満治療を成功させる秘訣です」と言い切る。


■しゅうとめが原因
 吉田センター長は、吐き気が続き救急車で運ばれてきた主婦の事例を講演などでよく紹介する。身長160センチメートル台で体重は100キログラムを超え、糖尿病の症状が出ていた。「糖尿病がよくなるのなら減量する」と決心し、治療を始めた。

 横浜市出身で京都市内に嫁ぎ、子供を2人産んだ。太り始めた原因を探っていくと、外出するたびに行き先や目的を尋ねるしゅうとめにたどり着いた。返事をするのがいやになり部屋に閉じこもり気味に。テレビを見ながらまんじゅうやケーキを食べる習慣が判明した。

 「それはあなたを思いやってのこと。監視しているわけではないよ」「行き先を適当に答えて出かければいい。河原で『うるさい』と叫べばスッキリする」

 吉田センター長は巧みな口調で緊張を解きほぐす。主婦も納得し一緒に笑えるようになった。空腹時には菓子の代わりに果物を取り、食事の前にキャベツなどの野菜を食べる減量法を取り入れて症状は改善した。

 ストレス軽減に着目したこの方法は「認知行動療法」と呼ばれ、食事と運動の指導とあわせてダイエットに有効といわれる。肥満と結びつけて研究や治療をする実績は日本では少なかったが、国が生活習慣病対策にカジを切り、活発になりつつある。九州大学の須藤信行教授と野崎剛弘特任講師らはその代表例だ。

九大チームは2012年1月から14年3月まで、肥満に悩む患者を10人程度のグループにして集団で減量するプログラムを試した。週1回のペースでセミナー形式の指導を受け、全体で約10カ月かかる。


 ストレスを減らし肥満解消を目指す際に重視する項目は3つ。1番目は毎日の食事や運動、体重などの記録をつけ自分で把握すること。2つ目にストレスの要因を分析して見方を変える思考法を訓練する。そして問題解決の具体的な方法やノウハウの習得だ。

 食事日誌を付けると知らぬ間に菓子類を食べている事実に気付くし、野菜の摂取不足など栄養の偏りが一目瞭然となる。ストレスの要因は突き詰めると人間関係がほとんどで、人の悪い面ばかりを見ていないか、自分で法則を作って決めつける傾向はないか、などの思考の癖を見抜き、異なる見方もあると説明する。

■リバウンド防止
 問題解決では実現可能な目標設定などを学ぶ。運動の場合なら、最初から「1日1万歩」とするのではなく、まず「1日1千歩」から始め徐々に増やす。

 こうして減量した後に最後の10週分をリバウンドの防止対策に当てるのがこのプログラムの特色だ。野崎特任講師は「減量に成功しても3~5年でもとの体重に戻ってしまう。目標体重のプラスマイナス2キロの範囲で維持する訓練は大切だ」と解説する。

 参加者は全て女性で90人が参加。60人がプログラムを修了した。今後、定期的に追跡調査をして治療法の効果を調べる予定だ。有効なら、これまで個別指導でしかできなかった認知行動療法を、より多くの患者に対して適用できると期待を寄せる。

 問題は平日の昼間に参加が難しい働く人の肥満治療だ。とりわけ肥満者の比率が増えている40~50代の男性は「仕事中心の生活で健康に割く心の余裕がなく、減量への関心も低い。肥満につながる飲酒の機会も多い」(野崎特任講師)。企業単位で肥満対策プログラムを導入するなど新しい仕組みづくりが必要だろう。  』