若殿の気ままな独り言

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健康に役立つ「トクホ」ですが、適用範囲も狭く、薬の代用にはならず・・・

2013-11-18 10:00:00 | 健康、フィットネス
「トクホ」の正しい知識。薬の代用にはならず、適用範囲も狭く。(以下、日経ライフから一部抜粋)

『 健康に役立つ表示が可能な特定保健用食品の第1号が許可されてから20年。品目は現在、1082を数え「トクホ」の名称も定着した。科学的根拠に基づいて国の「お墨付き」がつく形だが、病気を治すなどの効果は見込めない。正しい知識を身につけ、賢く付き合おう。

■コーラやしょうゆにも登場
 トクホは「おなかの調子を整える」「虫歯の原因になりにくい」などと表示できる。
 キッコーマン食品が9月に発売した「まめちから 大豆ペプチドしょうゆ」もトクホ。豊富に含まれる大豆ペプチドに血圧を下げる効果があるのを試験で確認した。もともとしょうゆには大豆ペプチドが含まれるが、通常商品では大半がアミノ酸に分解されている。醸造技術を工夫し分解を防ぐことに成功したという。

 組み合わせが話題を呼びヒットしたのがキリンビバレッジが昨年4月に発売した「キリンメッツコーラ」。トクホでは初のコーラで「脂肪の多い食事をする時などにおすすめ」と書いてある。コーラは健康的な印象は薄いが、この商品には脂肪の吸収を抑える作用がある食物繊維の「難消化性デキストリン」が480ミリリットルボトルに5グラム含まれる。
 この物質はトクホで一般的に使われる有効成分。男女90人で実施した試験では、食後の中性脂肪濃度の増加量が通常のコーラより10~20%抑えられた。同社は他の有効成分と比較して「コーラの味を損なわない」(若林英行・商品開発研究所部長代理)と結論づけて採用した。


 「最近はトクホの間口が広がっている」と公益財団法人の日本健康・栄養食品協会の矢吹昭特定保健用食品部長は解説する。今年、花王は缶コーヒーで、サントリー食品インターナショナルは緑茶でそれぞれ体脂肪の消費や分解を促す効果をうたった商品を発売。伊藤園は1つの商品で2つの健康機能を訴える商品などを販売している。
 科学的根拠をアピールして消費者の購買意欲を高めるトクホ。メタボリック(内臓脂肪)症候群対策など健康志向の消費者の支持を集め、ピーク時の2007年度は市場規模が6798億円(同協会調べ)になった。

 09年に「体に脂肪がつきにくい」とうたった花王の食用油「エコナ」で食べると体内で発がん性物質に変化する可能性のある成分が含まれるとして販売を自粛したことで、トクホへの信頼も揺らいだ。しかしその後は、中性脂肪や体脂肪関連の食品がヒットし、勢いが戻ってきた。
 トクホの許可では、食品メーカーが人を対象とした膨大な試験データを消費者庁に提出し、消費者委員会や食品安全委員会が個別に数カ月~数年かけて審査する。商品ごとに申請するため企業には手間がかかるが、東京大学の清水誠特任教授は「開発には技術力も必要で、企業のステータスの向上になる」と解説する。



■過度の期待禁物
 食品メーカーが人で実施した試験では、確かに何らかの効果があったことを示す。ただ、トクホは特定の生活習慣病などに「罹患(りかん)する前の人」または「境界線上の人」に適用範囲が限られるため、効果を実感しづらい面がある。試験に参加した人と健康状態が同じでないと摂取で得られる効果も違ってくる。
 食品の健康影響を過大に信奉したりする「フードファディズム(偏狂的な食生活)」の概念を日本で紹介した群馬大学の高橋久仁子教授は「統計的に意味があっても、実用的に意味がある差ではない。消費者に誤解を与える広告手法は避けるべきだ」と指摘する。

 「小規模な試験に基づく、わずかな数字上の変化を大げさに訴える食品もある」(高橋教授)。一方、消費者側も本来は暴飲暴食を避けて運動に励むべきところだが「楽して健康になりたい」と考えがちだ。こうした課題はトクホ制度の発足以来変わらない。
 トクホだから安心と考えて取りすぎるのはよくない。病気を治す効果まで確認されていないので、薬の代用にもならない。高橋教授は「不摂生な食生活の免罪符としてトクホを使ってはいけない。適切な食生活が基本」と話す。トクホは便利だが、過度の期待は禁物と心得ておこう。 』