若殿の気ままな独り言

日常生活で見聞きしたこと感じたこと、はまってるマカオ/Macau/澳門のことなど、勝手気ままに書き綴ります。毎日更新!

妻と愛人の奇妙な出会い!・・・・・

2009-06-08 19:04:49 | 趣味、(映画、読書、音楽鑑賞など,)
書評が目にとまったので、「さよならの扉」(平安寿子著、中央公論新社 2009年3月発行)という小説を読みました。「Web小説中公」に昨年2月号から11月号まで連載された作品です。


<あらすじ>
 社会経験のない本妻と、仕事ができる独身OLである夫の愛人(ともに40代)が、夫の死をきっかけに対面。奇妙な出会い方をした2人の女性が織りなす奇妙な交流を、一滴の涙を添えてユーモラス(?)に描いた小説です。
 夫は死ぬ間際、愛人の名前と電話番号を書いたメモを妻に渡します。「隠したまま、逝きたくない。自分のことは許さなくてもいいが、彼女のことは恨まないでやってほしい」。末期ガンの50代の夫は、そんなことを妻に言い残して死にます。そして妻と愛人の奇妙な出会い。

殿には、妻が夫の愛人の携帯に電話をかける心理は正直良く分かりません。(それ以前に、今際の際に愛人の名前を妻に告げる夫の気持ちも理解できませんが・・)。Amazonの読者レビューにも、同性ながら理解不能とか、妻がその愛人だった女性と強引に仲よくなるなんてあり得ない話、自己チューの妻が気持ち悪い、とかの否定的な感想も見られました。
ただ作者の腕の見せどころは、女性2人の心理描写なのでしょう。価値観が全く違う2人は、やり取りがかみ合わない。大事な人の死後の話のはずなのに、その辺にユーモラス(?)な雰囲気を漂わせています。2人以外の人間関係も絡みながら展開するストーリー、その「絡む」人間関係の描き方が巧いので、読みだすと止まらない本でした。
結末は如何に? 興味を持たれたら、ご一読あれ!
 読後感の責任は持ちません、悪しからず(家老)