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地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

『気分はもう戦争』(その壱)

2006年10月01日 22時16分19秒 | 毎日がつらつらと過ぎていきます
久しぶりの大友克洋ネタ

中国渡航1週間前記念スペシャルです。

個人的には大友克洋の最高傑作だと思っている『気分はもう戦争』。



冷戦華やかなりし頃の1980年代。米国とソ連が表では全面対決しているフ
リをしつつ、裏では組んで世界地図への新たな線引きをし、それぞれの陣営の
支配強化を図ろうとしているという設定のお話。

複線エピソードがそれぞれ独立して進んでいくが、メインエピソードは、右翼
日本人・左翼日本人・放浪米国人の3人組が、大騒ぎしつつ戦場を流れ流れて
いく擬似西遊記。

サブエピソードに矢作俊彦&大友克洋の原作者2名が、作中の中ソ戦を利用し
てのし上がっていこうとあがきまくるのだが、結局は何もできずに終わってし
まう話。

その他、ハメットやチャンドラーばりのハードボイルドが炸裂する、ニューヨーク
の日本人ヤクザと地元売春婦の滅茶苦茶にカッコいい話なんかが挟まってい
て、それはそれは読みごたえありな一冊です。

ふざけた事に、メインテーマは、シリアスでおちゃらけた戦争ギャグだと。

大友克洋の作画技能、この書が世に出た段階で、誰も追随できなくなったほど
です。この後に出る「童夢」の画風も含めて、「大友の真似し~」な漫画家が
雨後の竹の子の様に発生したことからもわかる通り、その影響力・技術力は、
一頭卓越したものでした。


(第1ページ目です。一応、戦争をテーマにしているんで、最初ぐらいは
ぴしっ、と決めたかったんだとか。「ロバート・キャパ」の「崩れゆく兵士」
の模写)

次のページのコピーに痺れます。矢作俊彦の本領発揮。


(ジョン・ウェインが死んだ。しかしアメリカの民主主義が死ぬわけじゃあ
るまいし、とジョン・ガンサーは哄った。朝鮮半島では一人の大統領が討た
れて民主主義が謳われ、イランでは一人の首相が辞めて民主主義がややこし
くなり、アフガンでは戦車が山を越えて民主主義が山のアナアナになった。
忘れてならないのはトルコとマダガスカルだが、ここの民主主義はずいぶん
前からてんやわんやだったし、植木等がこれで日本も安心だと歌ったので、
民主主義はますます恥かしくなった。大友克洋のマンガは有名になったが、
それで民主主義がどうこうなるというほどのことはなかった。好むと好まざ
るとにかかわらずこれが、1979年12月現在の我々の世界だった。大切なのは、
人はパンと民主主義のみによって生きるにあらずということだ。米だって食
うし酒も飲むし、渡哲也以外のたいていの男は女がいないと生きて行けない。
流れ者だって生きるには洗面道具が要る。
たまには戦争だってしたいんだ、ぼくたちは!

かなりポップで語呂の良い、意味不明な文言ですが、この雰囲気のみで、ス
トーリーが進みますので、わからない人はわからない。



(雑誌「POPEYE」のパロディ。次のページに、ご丁寧にも解説が付いています)


戦争大好き少年この指止まれニュースだぞ!  
 ピーナッツ畑の支配人がまたアメリカで大統領に再選されてからってもの、
サイコーにはやってるのが戦争だってことぐらい、ポップアイド・フリークの
みんなならもうとっくに知ってるよね。実際に、LAはもちろん中西部、あの
(何故か「あの」がついちゃうわけだけど)ニューヨークでも、シテー・ボー
イやオリーブスのあいだじゃ戦争が大モテで、カルバン・クラインが野戦服を
出すってニュースまでマンハッタンには飛びかってるんだ。
 考えてみれば、もうぼくたちは長いこと本チャンの戦争にはふれてないって、
我が日本のシテー・ボーイはシテー・ボーイとして、いささかの負いめなんか
感じてるんじゃないかって今日このごろ、ついに日本にも戦争が上陸しそうな
んだなあ、これが。もし本当ならこれはもうゴキゲンのダイナマイツなんだけ
どね。
 ま、時代の先っちょを行く我々ポップアイド・フリークは、この秋、ニュー
ヨークの戦争をカレッジ・ライフにどしどしとり入れてクオリティ・アップす
るのもいいんじゃないだろうか、というわけでこのトレーナー。ラコステの野
戦服とギンガム・チェックの弾帯なんかとコーディネイトすると、少しばかり
気分で戦争だよね。
(BANGジャケット・右=1500円、左=1750円)

ちなみに、このページ右上に出ている2人が原作者。右=矢作、左=大友)

旧フジテレビ社屋に酒井ゆきえを訪ねようとする、大友克洋。そこに箱スカで
登場する矢作俊彦。
 


大友「初めまして ファンの大友です」「いや」「ただの・・大友です・・の方が
   いいな」「初めまして ただの大友です」

   ブロン

大友「おっと」

箱スカ「きっきき」

大友「あっ スカイライン2000GTB」

   ジャリッ

大友「アーガイルの靴下に黒のウイングチップ・・・」

大友「キャメルのブレザー3つボタン上2つかけといえば・・・」

大友「矢作さんじゃないですか」「残りの原作できたんですか?」

矢作「なんてカッコしてんだよ シャネルズの真似か」


このすっ飛び方に痺れたのは僕一人ではない、と思いますが、いかが。


まだまだ続きますが、今日はこの辺でおしまい。
渡航前までには、このネタ終らせます。しばしお付合いを。



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 フレーム溶射による、短納期での寸法・形状・機能の復元加工はじめました。
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なつかしい (tori5.16)
2006-10-02 13:35:16
大友作品は高校から大学時代に呼んだことがあります。単行本で出ている作品は全部呼んでます。「アキラ」以外は自分では持っていませんが、友人が大友作品が好きで全部買ってました。
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