国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

大当たり! これがあるからライブも止められない

2011年02月01日 | マスターの独り言(ライブのこと)
ステージに3人のジャズミュージシャンが出てきたときは
それぞれ三者三様だった。
超大御所のロン・カーターはスーツ姿。
ドラムのジョーイ・バロンは剃髪(?)に、普段着に近いカジュアルな感じ。
そしてとりあえず今回のリーダーであるビル・フリゼールは、
その両者を足して2で割ったような服装であり、
手には多分テレキャスターを持っての登場だった。

1曲目がモンクの「ミステリオーソ」で始まる。
最近ライブに行くとこの曲とよく出会う。
それだけモンクの曲は挑戦のしがいがあるのだろうか。
前のめりになるようなテーマを崩しながらの演奏である。
誰かが率先してソロを取るわけではない。そのためか一体感が生まれる。
カーターが途中でソロに入るが、
音を聴きながらビルフリがバックで演奏を埋めていく。

驚くのがジョーイ・バロンの叩きっぷりである。
全身をタコのようにうねらせながら、
ステッキを、手を、足を、あらゆる手段を用いて目の前に並ぶドラムを叩く。
ライブで最も怖いのが演奏が切れることだ。
音が鳴らなければ空白間が生まれ、曲自体が止まってしまう。
だが一流のドラマーは違う。
切れた空間にもリズムが存在をしていることを僕たちに教えてくれ、
適切に次の間へとつないでいく。
しかも曲中にリズムを替え、フォービートやエイトビートを行き来し、
白熱の演奏だった。

ビル・フリゼールの方はほとんど背面をこちらに見せていた。
一つにギターの奏法を見せないこともあるのだろうが、
何よりも3人の息を合わせることが大切である。
お互いに目で確認し合いながらコミュニケーションを取っている。
線の細い音であっても、曲をビルフリ色に変えていってしまうから不思議だ。

今回はひさびさにライブの当たりだった。
やっぱりビル・フリゼールは聴いておくに限る。

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