国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

コッテリ系ジャズの注文はいかが?

2011年04月26日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
最近、年のせいかコッテリとした
とんこつラーメンが最後まで楽しんで食べられない。
それこそ空腹なときは勢い込んで頼むのだが、
食べているとだんだんそのしつこさがイヤになってくる。
昔はそれこそスープまで美味しくいただけたのが、
どうにも完食することが辛いのだ。

そういえばここ数日、ジャズらしくコッテリとしたものを聴いていない。
ついついあっさりとしたピアノ系とか他のジャンルとかになってしまい
「ジャズと言えば!」と思えるようなものを聴いていないのだ。

そこで先日買ったばかりのアルバムを取り出してみた。
ホレス・パーランの『アップ&ダウン』
ホレス・パーランというところでまずそのピアノがコッテリと
絞り出すエキスのように粘りっこいことが想像つくだろう。
加えてベースのジョージ・タッカーとドラムのアル・ヘアウッドが組んでいる。
それだけで十分に満足できる組み合わせなのだが、
そこにテナーのブッカー・アーヴィンとギターのグラント・グリーンがいるのだから
これは自ずと「コッテリ」系に属するだろう。

アーヴィンのテナーは音がつながり押しつぶしたように吹くのだが、
逆にそれがやみつきになるような心地よさがある。
グリーンは軽やかでありながらも、芯が硬いギターを聴かせてくれる。
何よりもジョージ・タッカーのベースが力強く、
6人集まっていても存在が浮かび上がってくる。

パーランはとても身体に障害を持っていたと思えないほど
リズミカルに、しかもエネルギー溢れた演奏をする。
それを「泥臭い」などと言ったりもするが、
「もうこんな感じがジャズじゃない?」って言えるほど
バッチリのハードバップを聴くことができる。

こちらのコッテリはいつの間ズルズルっと耳の中に吸い込まれていき、
胃にも優しいから、安心してご賞味ください。