国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

「ジャズ」として王道アルバムと言えるのではないか?

2011年04月13日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
今でこそたくさんのジャズアルバムを聴いて
「ジャズ」というのがどんな物なのかおぼろげながらもその概要は見えてきた。
一般に「ジャズ」は難しいと思う。
難しくなければ巷にあれほどジャズのガイドブックは出ていないだろう。
趣味であるからそこ極めるというのが難しいのだ。

ところが入門書だけではジャズの本当の世界というのが見えてこない。
やはりジャズ喫茶に行き、知らないようなアルバムを聴くことが
自分のジャズワールドを広げることになるだろう。

そうするといつの間にか自分の嗜好が分かってくる。
ジャズにもいろいろな嗜好があるのだ。
その中でも今日のアルバムなどが「好き」と言えれば、僕と友だちになれそうである。

ケニー・バレル&ジミー・レイニーの『トゥ・ギターズ』
何がスゴイって、まずギタリストの2人がスゴイ。
どちらも黒々とした粘りのあるギター演奏を聴かせてくれる。
加えてサイドマンがスゴイ。
ドナルド・バード、ジャッキー・マクリーン、マル・ウォルドロン、
ダグ・ワトキンス、アート・テイラーと
聴く人が聴けば「あぁ~」と納得をしてしまうメンバーである。
バリバリのハード・バップチームだ。

何をいっても5曲目の「リトル・メロネー」は
マクリーンの作曲であるが、出だしのテーマが何とも言えずルーズで
かつネットリとしている。
ここでのマクリーンのソロを聴いているだけで
「ジャズって良いなぁ」って思えるぐらいだ。

肝心要のバレルとレイニーの聴き分けは難しいのだが、
それでも意識をして聴いてみると
やはり僅かに違いがあったり、フレージングに特徴があったりするものだ。
ブラインドにもいいだろう。

本などには取り上げられないが、
ここにジャズとしてのエッセンスが十二分につまっていると思う。
しゃぶり尽くせる1枚だ。