国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

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そんな仮想の音楽喫茶

僕たちの好きなピアノトリオについて考えてみよう

2009年08月30日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
今月の「ジャズ批評」の記事の内容が、
トミー・フラナガンとデューク・ジョーダンである。
日本人はよくピアノトリオを好むというが、
ジャズ本場のアメリカではピアノトリオの扱いは大きくなかった。

元々ピアノ、ベース、ドラムは、
「リズムセッション」と名付けられるぐらいであるから、
そこだけ取り出してもピンとこないのだろう。
有名なビル・エヴァンスのヴィレッジバンガードのライブでは、
しゃべり声や笑い声などとても真剣に聴いている様子は感じられない。
前に紹介したソニー・クラークにしても
本場では知っている人があまりいないという状況らしい。

では、何故日本ではピアノトリオが受け入れられているのか。
まずはピアノが身近な楽器であることが原因のようだ。
小学校にオルガンが在ったように、ピアノに合わせて歌を歌ったように、
日本の音楽教育は西洋音楽の代表格であるピアノが中心に進められている。
そのためジャズでも耳慣れたピアノ音がとらえやすいのだろう。

ピアノは音に表情をつけることはできるが、
決められた鍵盤を叩くことで音が出るため、
微妙で多彩な色を出すことはちょっと難しい。
一方で管楽器は、人間の息によって音を出すため
時に生々しさを出すこともできる。表情が非常に多彩になってくる。
ジャズの生々しさを好むアメリカ人と
優美で端正なメロディーを好む日本人とのジャズ好みの違いかもしれない。

もう一つ有名なのが日本の住宅事情である。
狭い日本、自宅で大きな音を出すことができない日本では
ジャズを楽しむのに自然と音が小さくてもメロディーラインが楽しめる
ピアノトリオが流行したのだという考え方もある。

と、本当はトミー・フラナガンの作品を紹介する予定だったのが、
ピアノについての話になってしまった…
続きは明日にしよう。