国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

音楽はツイテまわる

2009年08月21日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
時季外れな夏の暑さが今更になって押し寄せてきた。
そんな夜には怪談が合う。
「四谷怪談」やら「番町皿屋敷」やら
(日本の怪談ばっかりなのは気にしないで欲しい)
とにかく幽霊たちの恨みは深く、成仏するまで憑いてまわるのだ。

ところがこれは音楽にも同じことが言える。
もちろん恨みがどうこうの話じゃない。
音楽は、そのミュージシャンが死んだ後も付いてまわる。
今日の1枚は、ジャズギターリストのウエス・モンゴメリーの死後発売された。
『ソリチュード』パリでのライブの模様を2枚組にしたアルバムだ。

ウエス・モンゴメリーという人は、
とにかくライブで燃えまくる人だということが分かる。
この『ソリチュード』をウエスの最高傑作に取り上げる人は多い。
聴いみれば一聴でそのグルーブを感じるだろう。
ウエスはとにかく技術的にスゴイ人なのだが、
「ジャカジャカ」としたギター独特の硬い音とは違い、
弦の関係もあるだろうが、「じゅわぁーん」としたおっとりとした
やわらかな響きで、高速で弾きまくる。
しかもリフが出てくるたびに、盛り上がっていく感じがとてつもなくするのだ。

このアルバムには、ウエスのライブ定番曲も取り上げられているし、
コルトレーンの「インプレッション」までもやっている。
ライブのためピアノの音が遠いかなとか思ったりもするが、
痺れるような燃え上がった演奏が繰り広げられているのだ。

もちろんこれで満足できない人は、2枚目に耳を伸ばして欲しい。
昔、ウエスと共演したあのテナーマンがゲストとして参加をしているのだ。
これは『フル・ハウス』の再現だ!

ミュージシャンは自分の死後も演奏したものが残ってしまう。
こっちとしては未発表のライブ音源が出るたびに嬉しく思うのですが、
ミュージシャンたちは一体どう思っているのやら?