国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

明日の朝は、『サタデイ・モーニング』

2009年03月20日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
今日は祝日であるが、
仕事が終わらず自宅で仕事。
なんともテンションが下がる祝日だ。
仕事をしながらジャズは聴きたくないのだが、
それでも聴いてしまう……
朝からほとんどジャズの生活になってしまった。

僕はたいがいCDを買っても
よっぽどのことがない限りすぐに聴かない。
まずは手に入れることを優先してしまい、
手に入るとそれで第1の満足なのだ。

しばらく寝かされたジャズは、いつかオーディオにかけられる。
1回目は聞き流すのがほとんどだ。
「1発目で分かるジャズは無い」と、僕は考えている。
そんな単純ではないのだ。ジャズは
とにかく雰囲気を感じるのだ。

そして、またしばらく寝てもらう。
しばらくして
「あんなのもあったな」と思い出してかけると、
その時に衝撃が走る。
第2の満足だ。

今日のアルバムは、満足がその場で衝撃となって来た。
ソニー・クリスの『サタデイ・モーニング』
ソニー・クリスの最高傑作であると紹介されていることが多い。
しかし、簡単には手に入らない。
もう廃盤なのだ。

僕がこれを初めて聴いたのは、
神保町の「BIG BOY」でだ。
リクエストしてかけてもらった。
僕の初リクエストでもある。

黒の中にうっすらとクリスが浮かび上がる。
ジャケットが凄まじく渋いく、黒い!

聴けばジャケットに負けず劣らず、中身も濃くて黒い。
音を丁寧に重ね、ねっとりと吹くクリスに心奪われる。
絡みつくようなその黒さがとてもブルージーだ。
底なし沼にはまったかのように、
ジャズの深みに落ちていく。

これは手に入ったら、すぐに聴いた。
何度繰り返し聴いても、この黒さがたまらなくいい。
明るくなくたってかまわない。
ただ、静かに燃えるクリスを
このアルバムで堪能してほしい。