国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

浸れ! かっこいい緊張の世界に

2009年03月13日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
金曜の夜9時というと
『必殺仕事人』の時間だ。
勧善懲悪のお決まりのストーリーパターンだが
それでもついつい見てしまう。
仕事人たちの個性あふれる仕事っぷりと
そのバックで流れるむせび泣くようなテーマ曲
に心を奪われてしまう。
あのテーマ曲、
トランペットの響きに自然と哀愁と緊張感が走る。

そうこれはまるでジャズじゃないか!
個性あふれるジャズメンたちの
息を合わせたセッション。
全体にあふれる緊張感と一瞬のきらめき。
バックボーンは違っても
大人が求めるのは
そういった緊張なのかもしれない。

さて、トランペットということで
今日は帝王マイルス・デイヴィスのアルバムだ。
『リラクシン』は、
有名なプレスティッジのマラソン・セッションの1枚。
たった2日間で4枚分のアルバムを作り上げてしまった
伝説のセッションである。

『リラクシン』
金曜日の夜に聴くには最高のタイトルアルバムじゃないか。
1週間の疲れた身体を休ませられそうな気がする。
だが、もちろんそれは気がするだけである。

内容は最高のメンバーが
ピンと張りつめるような演奏で待っている。

マイルスのトランペットはとてものっている。
僕は結構マイルスのトランペットが好きで、
後期のエレキサウンドになってからも
その大地に降り立ち、高々と吠える孤高の響きに
かっこいい男の姿を感じてしまう。

コルトレーンのテナーも
レッド・ガーランドのピアノも
音がそこに重なっていくと、
これぞジャズの世界が静かに広がっている。

それにマイルスたちの
その時の会話も曲の前後ろに収録されている。
これぞ『リラクシン』。
緊張と緩やかさの混ざり合うお薦めの1枚である。

さぁ、週末は『リラクシン』を聴いて、
ジャズに浸ろうじゃないか。