土佐林日記

日々の日記

2016年7月30日

2016-07-30 03:00:31 | Weblog
伊坂幸太郎の「バイバイ・ブラックバード」を読んだ。

この物語が太宰治の「グッドバイ」からヒントを得て書かれたということなので、この「グッドバイ」に興味が沸き、岩波文庫の「人間失格」とこの「グッドバイ」、それに「如是我聞」で一冊になっているものを購入した。
その本の中の「人間失格」は若い頃に一度読んで、主人公に嫌悪感しか持てなかった記憶があったので、読み飛ばすことも考えたが、せっかく買った本の中にあるので、再び読んだ。

しかし、読んでみると若い頃に受けた印象と自分の中で違うものになっていた。
それは、いままでいろんな知人と話してきたが、実際にこの「人間失格」の主人公のような世間と折り合いの付け方を知らないというような人を目の当たりにしてきたことや自分なりにではあるが様々な経験をつんできたことなどがあるからだと思う。

このような精神状態であることを客観的に捉えるのみならず、天才的な表現力で描かれている稀有な文であることを発見した。
また、このようにも思った、「日々小さな事にも充実感を感じられる私はなんて幸せなんだなろう」と。
コメント
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