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デーニッツ回想録 10年と20日間を読む

2019-09-26 14:45:23 | 日記
 第二次世界大戦時のドイツ海軍のUボートの指揮官から海軍全体の指揮官となったデーニッツ提督の回想録「10年と20日間」を読みました。デーニッツ提督は大戦開始時にuボートの指揮官となり、大戦の中期に前任者が職を離れたためドイツ海軍全体の指揮官となりました。さらに大戦末期ヒトラーが自殺したあとにはヒトラーの後継者として指名され、ドイツ軍の敗戦処理にあたりました。

 デーニッツ提督がもっともかかわったのがUボートなのですが、後年Uボートの活躍は大々的に取り上げられますが、大戦の当初はごく限られた戦力しかありませんでした。たしか57隻です。デーニッツ提督はイギリスの通商破壊をするために300隻のUボートの配備を求めましたが、その希望はかなえられませんでした。100隻が通商破壊戦を行い、100隻が港と戦場とを移動し、100隻が港で整備を受けるということです。

 デーニッツ提督の希望は実現しませんでしたが少ないUボートであっても優秀な艦長たちの活躍で大きな成果を上げました。デーニッツ提督の希望どおりとはいかなかっとしても大戦の初期にもっとUボートが配備されていたら、最もUボートが戦果を挙げた時期にもっと配備されていたらと考えると、戦局が変わっていたかもしれないと感じます。当事者であったデーニッツ提督にとってはとりかえしのつかないことという思いであったと思います。

 そして大戦後半になると米英のUボート対策が整いました。レーダー、長距離を哨戒できる航空機、護衛空母などによってUボートの活動は著しく制限を受け戦果も限られたものになりました。それでもデーニッツ提督はUボート戦を続けました。Uボートがいなくなったらそれにかかわる米英の戦力が他に移転されてしまうことを恐れたためのようです。戦果はあがらないにしてもUボートで一定米英の戦力を引き付けておくことを狙ったようです。

 そして大戦の末期にヒトラーが自殺した後の後継者に指名されたのですが、本書を読んで感じるのは海軍の人間だったのでひナチズムに染まることもなく形成に対処することができたのではないかと思います。陸軍だったら東部、西部と戦いが続いている中で冷静な判断ができないのではないかと思うのですが、海軍という本流からはずれた立場でいたことと、デーニッツ提督自身がヒトラー亡きあと連合国にどのように降伏するかを客観的に遂行できたことがその後のドイツを救ったのではないかと思います。


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