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「ラバウル獣医戦記」を読む

2017-02-11 12:12:14 | 日記
 「ラバウル獣医戦記」という本を読み終えました。軍医や主計だった方の戦記は読んだことがありますが、陸軍の獣医だった方の書かれたものを読むのは初めてでした。

 なぜに陸軍に獣医が必要かというと、当時の日本軍は大砲を運ぶのも馬。補給物資を運ぶのも馬ということで、師団全体で二千頭とも三千頭ともいう馬がいました。その馬のために獣医が必要だったわけです。

 電撃戦で有名なドイツ軍も装甲師団や自動車化された師団は機械化されていましたが、その他の歩兵師団は馬を用いていました。補給物資を運ぶ部隊も含めて完全に機械化されていたのは、唯一アメリカ軍だけです。第二次世界大戦時も馬が大量に使われたということになります。戦記、戦史ではあまり触れられませんが、陸軍では馬が重要だったといえます。

 この本では舞台がラバウルとなります。ラバウルは日本軍の拠点でしたが、アメリカ軍が蛙飛び作戦でラバウルを通り越して進撃してしまったため、南方で取り残されることとなり、日本本土からの補給もほとんど途絶えました。そのため自活することとなったわけですが、ラバウルも大量の軍馬がいました。

 南方の島ですんで牧草地なんてありませんから軍馬を養うというのはなかなか大変なことだったようです。加えて人間そのものも食わなきゃなりませんから大変だったようですが、貯蔵していた物資をうまく使いながら、それからイモなど栽培したりして自活していたとのことです。

 獣医という軍人としては、ちょっと違った立場からみた戦記ということで、なかなか面白く読むことができました。


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