智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

pm2.5の想い出

2014年03月01日 | 日記
上海から揚子江沿いに100KMほど内陸の都市に住んでいた頃、10年前の話です。


上海の緯度は、日本の鹿児島とほぼ同じなのですが、

日本は島国で、海が直ぐ傍にあり海風山風が吹いて、無風の日を探すのは難しいでしょう。

中国は桁違いに広大な大陸で、冬になり寒気団が安定すると、風が無い日が続きます。

内陸奥から冷気がジワジワ押し寄せ、-10℃にまで気温が下がり底冷えが厳しく、暖房します。

そこへ車の排気ガスや、工場の排煙が加わり、風が無いため停滞し、

更に、空から蓋をするように、揚子江や湖沼から霧が立ちこめ、これも滞留して、

暗い灰色の濃霧に、日中でも覆われ、視界が悪く、

外出すると、頭痛がして、目がチカチカしたものです。


あれから10年経ち、中国全土に工場が立ち、車が一層普及して、市民は石炭で暖を取り、

汚染された空気の塊は、朝鮮半島へ、そして日本列島にまで押し寄せるまでになりました。


小学生六年のとき、図工の課題で「未来を描く」ことになり、

私は、都市や建物群がドームで覆われ、外気の亜硫酸ガスから守らないと、生きていけない未来都市を描きました。

放射能、酸性雨、汚染された空気・・・現実味を増して、恐ろしいです。