特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

察心(公開コメント版)

2014-03-27 12:11:58 | 特殊清掃 消臭消毒
仕方がないことと諦めつつも、なかなか割り切れないことがある。
それは、うちのチビ犬のこと。
正確な年齢はわからないものの、身体の具合からみて、もう結構な高齢であることは間違いない。
ここのところ、加齢が原因と思われる身体機能の衰えが顕著に現れてきているのだ。

足腰はだいぶ弱り、飛び跳ねることはもちろん、もう走ることさえしない。
更に、今では、あまり長い距離は歩かなくなっている。
つい、一年くらい前までは、散歩にも喜んで出掛けていたのに・・・
少し前のことなのに、一緒に歩いたあたたかい日々が懐かしく思える。

両眼球は白く濁り、片目は完全に失明。
もう片方の目も、あまりよく見えていないよう。
歩いていて、壁や物にぶつかることも珍しくない。
それが不安なのか、夜もあまり安眠できていないよう。
たまにだけど、夜中や早朝に鳴く(泣く?)こともある。

食欲はあるけど、以前に比べて明らかに食べる量は少なくなった。
だから、体を触ると、皮膚の下にすぐ骨を感じるくらいに痩せてしまっている。
出会った頃は、メタボ気味だったのに・・・
この頃は、少しでも体重が増えるように、できるだけ好きなものを与えるようにしている。

トイレの失敗もよくするようになってきた。
以前は、回数も少なかったし、躾のつもりで、いちいち叱っていた(かなり甘い叱り方だけど)。
しかし、今は、もう許している。叱ったりしない(たった一犬の糞尿掃除なんて、特掃隊長にとっては朝飯前だし)。
当人(当犬)だって、わかっていると思うから。
思うようにできないことで、悲しい思いをしているかもしれないから。

とにもかくにも、その様はちょっとツラい。
余計に手がかかることが負担になってきたのではない。
世話をしてやることが重荷になってきたのではない。
とにかく不憫、可哀想に思えて仕方がないのだ。

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Negative speaker(公開コメント版)

2014-03-19 09:17:00 | 特殊清掃 自殺
年柄年中、あちこちの街に出かけている私。
ある時、ある街で、妙な看板が目についた。
そこには、
「ネガティブスピーカーと楽しく会話」
と、デッカイ文字。

「ん? ネガティブスピーカー!?」
「ネガティブスピーカーと楽しく会話なんてできんのか?」
と、私は、少し驚いて頭を傾げた。
そして、自分の仕事を棚に上げて
「世に中にはヘンテコな商売があるもんだな」
と感心しながら苦笑。
しかし、その看板をよく見ると、「ネガティブスピーカー」ではなく「ネイティブスピーカー」と書いてある。
それは、どこにでもある、英会話教室の看板だった。

“ネガティブスピーカー”と“ネイティブスピーカー”はまったく別物。
そもそも“ネガティブスピーカー”なんて言葉、聞いたことがない。
「“ネイティブスピーカー”を“ネガティブスピーカー”と読み間違えるなんて、何とも俺らしいや」
マイナス思考が服を着たような人間である私は、再び苦笑したのだった。


故人は50代の男性。
死因は縊死。
現場は、一時代前のアパート
間取りは2DK。
死後、結構な日数が経過しており、深刻な汚染と異臭があった。

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残された時間(公開コメント版)

2014-03-13 06:52:44 | ゴミ屋敷 ゴミ部屋
「ゴミの片付けと清掃をお願いしたい」
と、ある女性から相談が舞い込んだ。
現場は、女性の自宅。
それなりの経験がある私は、女性がくれる情報を組み立てて、頭の中で女性宅を映像化。
そして、それを分析し、その片付け・清掃に要する作業内容と費用を伝えた。

私が提示した概算費用は、女性が想像していた金額とはかなり乖離。
「てっきり、○万円くらいで済むと思ってたんですけど・・・」
と、具体的な金額を明かしてきた。
しかし、それは、予想されるこの仕事にはまったく合わない金額。
私は、不親切な人間と思われることを承知で
「多分、その費用ではやれないと思います」
と難色を示した。

あたたかい人間でありたいとは思うけど、私は、結構、冷たい人間。
この仕事だって、基本的には“ビジネス”と割り切っている。
しばらく前の「痩心」に書いた通り。
だから、こちらが見積もる料金と依頼者が心積もる料金が、まったくかけ離れた金額だと、現地調査を断ることもある。
現地調査に行くだけでも、それなりの移動交通費・駐車場・人件費等がかかるわけで、仕事にならないとわかってしまっては現場に行きようがない。
私自身も気が進まないし、会社もそれを許可しない。
本件も、まったくのそれで、私は「行くだけ無駄だな」と思い、遠まわしに現地調査は不可能であることを伝えた。

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初志甘徹(公開コメント版)

2014-03-08 08:49:46 | ゴミ屋敷 ゴミ部屋
一月が行き、二月が逃げ、もう三月。
あれから、一年が経った・・・
そう、私が週休肝二日を始めてから。
昨年の三月からはじめて、何とか一年を通すことができた。

ルールは、一年前のブログに書いた通り。
日曜~土曜の間、任意で二日以上、酒を飲まない日をもうけるというもの。
簡単なルールだけど、これをやり通すのは、なかなか簡単ではなかった。

たった週二日、されど週二日。
現場がキツくて咽が渇きやすい春・夏は苦戦。
相当意識したため、何とか二日は死守することができた。
逆に、秋・冬は楽勝。
精神の低迷のため、飲みたい気持ちも高まらず、自然と飲まない日が多くなった。

飲まなかった日は、カレンダーに赤○印。
週の前半に赤丸を一つでもつけておかなければ、後半にプレッシャーがかかってくる。
何事もプレッシャーを嫌う私は、とにかく、週末になる前に週休肝二日を達成するよう努めた。
そして、赤丸が多くなるほど、達成感も増していった。

害といえば我慢のストレスくらいで、身体(健康)のことを考えると利のほうが大きい。
ただ、ストレスを侮ってはいけない。
これはこれで不健康の原因になる。
だから、ノンアルコールビールや炭酸水等の力を借りながら、少しでもストレスを抱えないで済むよう工夫しながら、これからも続けていくつもり。

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腐条理(公開コメント版)

2014-03-02 12:25:58 | 生活保護
4月から消費税が上がる。
たった3%、されど3%。
塵も積もれば山。
これが庶民の家計を圧迫するのは、目に見えている。
収入は増えず支出だけが増えるのだから、とりあえず、節約しやすい食費や遊興費を抑えて収支を合わせるしかない。
(メタ坊とカン臓君にはいいことかも。)

消費税に限らず、見回してみると、身の回りは税金だらけ。
直接的に、間接的に、気づいているところで、気づいていないところで諸々課金されている。
ただ、国民は法律の定めるところにより納税の義務を負う(憲法30条)。
生活がきつかろうが、課されたものは納めなければならない。

もちろん、納めただけの恩恵に与れるのなら文句は言えない。
ただ、実際は、そうではない(らしい)。
少なからずの税金が無駄遣いされている(らしい)。
特に、利権を持つ一部の特権階級に金銭が流れているというニュースを聞くと不条理を感じる。
しかし、力なき一庶民には、手出しも口出しもできない。
ただただ、これ以上、税金が上がらないことと、無駄遣いが少なくなることを願うことしかできない。


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