特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

自憂(公開コメント版)

2012-11-23 15:30:51 | 孤独死 遺品整理
「どうしてくれんのよ!みんな“出ていく”って言ってるじゃない!」
「家賃収入で生活してるのに、この先、どうすればいいのよ!」
女性は、怒り心頭の様子で男性に怒鳴った。

「相続は放棄しますが、とりあえず、部屋を空にするまではこちらの責任でやります」
「申し訳ありませんが、あとのことは責任持てません」
男性は、女性の激高も意に介さず、淡々と自分の心積もりを話した。

「掃除だけでも先にやった方がいいかと・・・」
「近所に迷惑がかかってるようですから・・・」
揉め事に巻き込まれるのを避けたかった私は、話の向きを変えようと努力した。


現場は、古い町並みに建つ老朽アパート。
一階に二部屋、二階に二部屋。
その二階の一室で、孤独死・腐乱死体が発生したのだった。

そこにいたのは三人。
現場アパート大家である女性と、故人の甥である男性、そして、特殊清掃業者の私。
かってでたわけではないが、第三者である私は仲裁役のようになってしまい、双方から事情をきくことになってしまった。

大家女性は70代。
資産家というわけではなく、運用している不動産はこのアパートだけ。
安くない固定資産税を払いながら、少ない年金と家賃収入でなんとか生活を維持。
本件が原因で他住人も「出て行く」と言っており、家賃収入がなくなれば生活が破綻するのは明らか。
「場合によっては、アパートを叩き売りし、その資金を余生で食いつぶしていくしかないか・・・」と不安に駆られていた。

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