特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

霊義知らず(公開コメント版)

2010-02-20 16:00:09 | Weblog
「こんな話をしたら、笑われるかもしれませんけど・・・」
ある日の夕方、中年男性の声で電話が入った。
一風変わった前置きに、野次馬(私)は耳を欹てた。

話の中身は、勤務する会社でトラブルが頻発して困っているというもの。
当社は、特殊清掃や遺体処置だけではなく、他にも色んなサービスを提供しているが、その中に企業のコンサルティング業務は入っていない。
“電話するところを間違ってないか?”と思わなくもなかったが、心に放牧している野次馬が話の続きを聞きたがったので、とりあえず最後まで聞いてみることにした。

男性は、準大手企業の部門責任者。




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特殊清掃プロセンター
遺品処理・回収・処理・整理、遺体処置等通常の清掃業者では対応出来ない
特殊な清掃業務をメインに活動しております。

◇お問い合わせ先◇
0120-74-4949(24時間応対いたします)


±Goal(公開コメント版)

2010-02-12 07:24:58 | Weblog
受験シーズン真っ只中。
寒い冬でも、10代の子供達は熱い戦いを繰り広げていることだろう。
小・中・高・大、少しでも偏差値の高い学校を目指し、子供(若者)達はしのぎを削る。
友人という名の敵と、また、子供らしく生きたがる自分と戦い続ける。
“自分がやりたい仕事”ではなく、“大人が決めた仕事”に就くことをゴールにして・・・

私も中・高・大と受験経験があるが、上にあがるに従って偏差値は落ちていった。
努力することが苦手な私は、コツコツと勉強することができなかったのだ。
そのせいで、今、こういう有様になっているのである。
自分の耳にタコができるほど、親が口を酸っぱくして言っていたことが、この歳になって身に染みてくる。

「お前、ゴールを間違ったよな!」



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崖下の引力(公開コメント版)

2010-02-03 07:51:15 | Weblog
「今朝ほど、マンションの上から人が転落しまして・・・」
ある日の昼下がり、毎度のごとく会社の電話が鳴った。
私の頭には、男性の次の言葉を待たずして、“自殺”の文字が過ぎった。

「私?・・・私は、ですね・・・」
電話の男性は、管理組合の責任者。
自分の身分を明かし、この役割をやることになった事情を私に説明した。

「明け方、“ゴン!”って鈍い音が響いたんですよ」
故人の縁者ではないからだろう、男性は、淡々とした口調でその時のことを説明。
発生から発見に至るまでの経緯は私の知りたいところではなかったが、とりあえず、一方的に話す男性に合わせて相槌だけ打つことにした。

「遺体は警察が運んで行ったので、あとの掃除をお願いしたくて・・・」
うちが特掃屋だと知った上で連絡してきている男性は、現場の詳細説明を省略。
“詳しいことは現場に来ればわかりますよ”といった雰囲気を漂わせながら話を進めた。

「どのくらいで来ていただけます?」


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