特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

BBQ(前編)

2007-03-30 08:33:15 | Weblog
私は、人付き合いが苦手でネクラな印象を持たれているかもしれないけど、意外にアウトドアレジャーが好きなのである。
まぁ、「アウトドア」と言っても、海や山などのアクティブ・アドベンチャー系ではなく、暖かい季節限定・整備されたキャンプ場や公園のお子様系アウトドアだけど。

その逆に、街の雑踏はあまり好きではない(夜の居酒屋は例外)。
そこに居るだけで疲れる。

そんな私は、気持ちのどこかで人間を嫌っているのか、知らず知らずのうちに人が少なそうな所を選んで出掛ける傾向があるのかもしれない。
そしてまた、私が空を好む理由の一つにも、「人がいない」「視界に人が入らない」ことがあるのかもしれない。

学生の頃は、ボロ車に乏しいキャンプ道具を積んで、近場の山や河に出掛けたりもしていた。

学生時代から20代後半くらいまでは、キャンプにも頻繁に出掛けていた。
テントに寝ながら、何日かかけて北海道を半周したこともある。

しかし、残念ながら、ここ数年はキャンプに出掛ける気力と時間がなくなっている。
今は、せいぜい、夏場にバーベキューをやるくらい。
昼間は仕事で時間がないので夜にやるのだが、盛夏には週一くらいのペースでやる。



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鏡の中

2007-03-28 09:12:03 | Weblog
ひと月半前、ある男性と知り合った。
そして、その男性は、たまに本blogを読んでくれているらしかった。
それは、全くの偶然の出来事だった。

会話を進める中で私は、その男性が醸し出す追い詰められた失望感と、その奥に秘められた熱意に、何となく過去の自分を鏡で見ているような気持ちがした。

今までも、読者との出逢いは何度かあった。
しかし、そのほとんどは仕事の依頼者。
利害が関係してくるので、blogについての会話はほとんどしなかった(私の方から避けてきた)。

Web上の書き込みコメントで読んでくれている人の意見や感想に触れることはあっても、生の読者とblogについて直接話をする機会は稀。
そんな生の声を聞けることは滅多にないので、授業を受ける生徒のように彼のコメントに聞き入った。


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尻の穴

2007-03-26 09:14:29 | Weblog
今回は、表題の示す通りのビミョーな内容。
読み方によっては下ネタになるかもしれないし、想像力を働かせると食欲が減退するかもしれない。
ま、いつものごとくその辺は気にせずに書き進める。

死体業の一つに「遺体処置業務」がある。
更に、遺体処置業務と言っても色々な作業がある。
基本的な遺体処置業務は、死後処置作業。
その基本となるのが、人体各穴への綿詰めだ。
耳・鼻孔・口、そして肛門に綿を詰める。

人体は、死んだ瞬間から腐り始める。
(生きているうちから腐っている人間もいるかもれないけど)
そんな人体(遺体)からは、体液や腐敗ガスが漏洩しやすくなる。
死後処置は、それを未然に防ぐために必要なものなのだ。



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バナナ

2007-03-24 18:59:42 | Weblog
現代社会、食料は豊かにあるのに、朝食を抜いた生活をしている人は多いのではないだろうか。
そう言う私も、そのクチ。
朝は食欲がないし、時間もない。
だから、意識して何かを食べないと、自然と朝食を摂らない生活になる。

「朝食を抜くのは身体によくない」
「でも、朝は食欲も時間もない」
そんな私が重宝しているのは、牛乳とバナナ。
私は、朝、このどちらかを口に入れるようにしている。

バナナって、極めて美味しいものでもないけど、甘みも食感も値段も優しい食べ物だ。
カロリーも高く栄養のバランスや消化吸収もいいらしいので、食欲と時間のない朝にピッタリ。


さすがに私の年代ではバナナは贅沢品ではなく、既に庶民的な果物になっていたので、子供の頃から親しみ深い果物だ。




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痛(胸編)

2007-03-22 08:58:59 | Weblog
30才を過ぎた頃からか、年に数回、私は原因不明の胸痛に襲われるようになっている。

その発作が初めて来たのは、朝の電車に乗ったときだった。
小走りで乗り込んだ電車の吊革につかまっていると、急に、胸部に鉛の棒を飲み込んだような重い痛みが襲ってきたのだった。

「何だ?この痛みは」
原因が何なのか、何の痛みなのか自分でも分からないまま、脂汗をかきながらひたすら我慢するしかなった。
そうしていること約30分、痛みは自然と治まった。
痛みがなくなれば、そんな事が起こったこと自体を忘れてしまう。
まさに、
「喉元すぎれば熱さ忘れる」
というヤツだ。
また、普段の生活に埋没する私だった。




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痛(耳編)

2007-03-20 08:39:02 | Weblog
私には、思い出すだけでもゾゾーッとする耳の痛い思い出がある。
10年ほど前になるだろうか、右耳の鼓膜を破ってしまった時のことだ。

その後遺症で、今でも右耳はわずかに難聴である。
故に、自然と、電話は左耳で受ける癖がついている。

鼓膜を破った原因?
「スポーツ・格闘技」と言ったら少しは格好がつきそうだ。
「喧嘩」と言ったら少しは男らしいかもしれない。
「仕事」と言ったら少しは真面目に思われるだろうか。

しかし、実際の原因は「耳掃除」。
ひょんなことから、耳かき棒を深く突き刺してしまったのだ。
全く、マヌケと言うか、恥ずかしいと言うか・・・自分のバカさに自分で腹が立って仕方がなかった。



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痛(頭編)

2007-03-18 09:34:48 | Weblog
私は、頭痛持ちではないが、色んな意味で頭が痛くなることが多い。
仕事の悩み、人間関係のストレス、お金の問題etc。
よく言うと繊細、わるく言うと軟弱な私だから。

頭痛の種って、頼みもしないのにいつの間にか撒かれているもの。
それが芽を出して、そのうち悪い実をつける。
早めに片付けないと、悪い実が新たな頭痛の種を落とす・・・その連鎖を繰り返していき、次第に追い詰められていく。
何事もイヤなことは後回しにしがちだけど、やはり頭痛の種は早めに片付けるように心掛けた方がよさそうだ。

ずっと以前にも書いた通り、私には霊感はない(はず)。
そしてまた、以前にも書いた通り、私は小心の臆病者である。

そんな私は、まだ会ったこともない(はず)のに幽霊・お化けの類は大の苦手。
心霊写真はもちろん、怪談やホラー映画ももってのほか。



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秘宝(後編)

2007-03-16 08:35:09 | Weblog
誰しも、人に言えないような秘密を一つや二つは持っているだろう。
恥ずかしい事、罪な事、嘘をついた事etc、そして自分だけの宝物。秘宝を。

秘事って、人に話した方が楽になる事とそうでない事がある。
罪なことは、誰かに話してしまった方が楽になれることが多いように思う。
でも、これがなかなか吐けないんだよね。
また、いい事もなかなか話しにくいことがある。
人の嫉妬が恐くて。

自分の身の回りを見渡してみて、何でも話せる人はどれだけいるだろうか。
せいぜい一人か二人、イヤ、「一人もいない」という人も多いのではないだろうか。
かく言う私もその一人。
「淋しい人間」
と思われても仕方がない。
実際にそんな人間だし、私はずっとそうやって生きてきた。




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秘宝(中編)

2007-03-14 09:08:56 | Weblog
私は、女性が落ち着くのを静かに待った。
それから、作業内容と料金を再確認して、早速、作業にとりかかった。

作業と言っても、やるのは布団の梱包・ウジ&ハエの始末・簡単な消臭消毒のみ。
床に転がるウジ・ハエも少なく、悪臭もほとんどない状態は、私にとって朝飯前の軽作業。
テキパキと働いて、さっさと済ませた。

作業が終わってしばらくの間は、部屋に入れない。
薬剤の効かせるためと、薬剤の匂いを緩和させるために、しばらくの時間を置く必要があるのだ。

その時間を、私は女性と世間話をしながらつぶした。
「もう大丈夫です」(バッチリ!)
「ありがとうございます」
「少ししたら、部屋に入れますよ」(あとは待つだけ)
「よかったぁ・・・ホッとしました」
「私もです」(無事に済んでホッ)
「父は質素な暮らしをしてたようですから、金目のものはないと思いますけど・・・」
「まぁ、後でゆっくり見てみましょう」(たいした物はなさそうだけど)
「それにしても、大変なお仕事ですね」
「・・・よく言われます」(ホントによく言われる)
「長くやってるんですか?」
「ええ、○年目になります」(もうそんなになるんだな)
「ヘェ~!スゴイですね!」
「インパクトだけは、他の仕事に負けませんよ!アハハ」(インパクトあり過ぎ)



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秘宝(前編)

2007-03-12 09:27:50 | Weblog
「身内が、人に言えない死に方をしまして・・・」
ある女性から、そんな電話が入った。
トーンの低い声と喋りにくそうな口調から、女性の精神状態が低迷していることが伝わってきた。

どんな死に方か直ぐに察しがついた私は、死因を尋ねるような野暮なマネはしなかった。
そして、こういうときは、動揺をみせずに淡々と受け応えした方が依頼者も気が楽なのではないかと考えているので、あえて明るい声で事務的に応対した。

現場の状況はこうだった。
部屋は古い公営団地の一室、故人は布団に横たわって最期を迎えた。
女性は、警察から現場の状況を聞かされただけで、それ以上の詳しいことは分からない。
自分で確認したい気持ちがありながらも、恐くて現場に行くことができない。

どちらにしろ、私は現場に行かなければ仕事にならない。
女性の都合と私の都合を調整して、見積見分の日時を約束した。




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