特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

鼻つき(公開コメント版)

2023-03-19 16:00:37 | 死臭 異臭 消臭
コロナが落ち着いてきたのを機に、「マナー推奨」の条件付きとはいえ、マスク着用が解禁となった。
議論されることは多々あったけど、マスクはウイルスの放出や吸引を抑制し、感染防止に一定の効果があったと思う。
(大金がつぎ込まれた“アベノマスク”は無駄以外の何者でもなかったように思うが。)
功罪は別として、前回書いたとおり“覆面”の効果もある。
これで安心感を得ている人も少なくないだろう。
また、ニオイについても影響がある。
自分の口臭に気づきやすくなったり、外のニオイに気づきにくくなったり。
事実、口臭対策の商品がよく売れているそう。
ただ、一般の不織布マスクでは、常日頃、私が遭遇している鼻を突くような悪臭を防ぐのは無理。
マスク自体が一瞬にしてクサくなって、防塵としての役割しか果たさなくなる。
何はともあれ、マスクの脱着が余計なトラブルを招くようなことがないまま月日が流れていってほしい。
デリケートな領域の事柄につき、誰かのちょっとした行為が鼻につく人も少なくないように思われるから。

しかし、いつの世にもどこの地にも、鼻につく人間っているもの。
良し悪しは別として、合わない人間はどこにでもいる。
ただ、他人の欠点や短所には敏感なクセに、自分のそれには気づかないのが人の性。
“自分が正しい”“自分は良い人間”と思っていたら大間違い。
結局のところ、誰かにとっては、自分も鼻につく人間の一人のはず。
そこのところを充分に弁えておくことが大切だと思う。

SNSを一切やらない私には縁のない世界の話だけど・・・続きはこちら


楽じゃない(公開コメント版)

2013-10-23 16:37:09 | 死臭 異臭 消臭
秋も深まり、少しずつ時間に余裕ができてきている今日この頃。
夏季に比べ、身体は随分と楽になっている。
ただ、冬に向かって精神は降下姿勢に入ってきているような気がする。
身体的にキツい季節は過ぎたけど、精神的に楽じゃない季節が近づきつつあるのだ。

半年ぶりのブログ更新。
「もう、このままやめてしまおうか」と思ったりもしたが、この仕事自体が辞められるわけじゃなし。
ま、気の向くまま、面倒臭ければ書かなければいいし、気分と時間合えば書けばいい。
毎回が最終回になる可能性を秘めながら、再び、文字を打ち込んでいる。

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疲労乾杯(公開コメント版)

2012-10-28 13:17:57 | 死臭 異臭 消臭
2012年秋、本ブログ、久々の更新。
時はすでに過ごしやすい季節になっている。
ついこの前までの酷暑がウソのように、周りはやさしい空気になっている。
こんな季節は、「紅葉狩り+温泉」なんて格別なんだろうが、夏の労働と酒で筋力も金力も衰えてしまい余力がない。
せめて、近くのスーパー銭湯にでも行って温泉旅行気分を味わおうかと思っている。

それにしても、今年の夏は例年に増してキツかった!
仕事量・仕事内容・気温等々・・・例年に比べて特段のことがあったわけではないけど(一般世間からみると「特段のことばかりだった」とも言えるけど)、とにかくヘトヘト・・・朝から晩まで現場を走り回る日々が、何十日にも渡って続いた。
歳のせいにはしたくはないが、やはり歳のせいか・・・
この先、どうやって生きていくべきか・・・頭は若いつもりでも身体は確実に衰えていくわけで・・・
ま、将来無策を憂いているうちが花か。
先のことを考えられなくなったら夢も希望も持てないからね。

労働量に比例してだろう、酒量も増えた。
頭のどこかが故障しているのか、私は、現場の画を思い浮かべながらでも酒が飲めるわけで・・・
毎晩、ビールをガブ飲み(一口目が極上・格別!)。
腹が膨れると次はウイスキー。
これをロックで2~3杯。
飲まずに寝たほうが疲れもとれるし、翌朝も起きやすいのはわかってはいたけど、とにかく飲まずにはいられなかった。
そうして、いい具合に頭が溶けてきた頃に就寝。
クタクタの身体を横たえ、浅い眠りの中で短い夜を過ごした夏だった。

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人間臭(公開コメント版)

2012-03-06 11:10:11 | 死臭 異臭 消臭
人は一人一人、顔や身体が違う。
不思議なくらい異なる。
同じように、五感の感覚も異なる。
臭覚も個人差があり、敏感な人もいれば、鈍感な人もいる。

一般的な健康診断には“臭覚検査”というものがない。
自分の視覚や聴覚の良し悪しはだいたい把握しているものの、臭覚については、一体、自分の感覚がどの程度なのか把握する機会は乏しい。
だから、自分の臭覚に何らかの問題がありながら気づかないままでいることも多いのではないだろうか。

「自分の臭覚は標準的」と思ったら大間違い。
ニオイを感じるレベルや感じ方、また、その好みは十人十色。
仕事柄、臭覚は鋭敏であったほうがいいのだが、私は、自分の臭覚を平均的なものだと思っている。
第三者が感じるニオイを感じなかったり、逆に感じたりすることがあるから、そう判断している。
だから、現場における臭気確認も、依頼者をはじめとする第三者を含めた複数の人間(少なくとも三人)によって行うことが肝要。
自分一人では客観的な判断もできなければ、客観的であることを説得することもできないから。

とにもかくにも、“ニオイ”っておもしろい。
よく「いい匂い」とか「わるい臭い」とか言うけど、判断基準や境界線はかなり曖昧。
同じニオイでも、人によって“いい匂い”にもなり“わるい臭い”にもなる。
顕著な例は食品。
その代表格は、納豆、チーズ、クサヤ等の発酵食品。
これらのニオイは、好む人もいれば嫌う人もいて、賛否両論がある。
また、これらのニオイは、熟成によって変化することも多い。
それによって、悪臭だったものが芳香に感じられることもある。
また、視覚や味覚がニオイの感じ方に影響することもある。
こういったことから、「ニオイは鼻で感じるものだけど、鼻だけで感じるものではない」ということがわかる。

ちなみに、子供の頃の私には、ニオイについて変わった好みがあった。
ひとつは、母親が使っていた除光液のニオイ。
これが好きで、瓶の蓋をとっては、鼻を近づけてウットリしていたものだ。
また、タクシー(ガス燃料)の排気ガス臭も好きだった。
タクシーを見つけると、後ろについてはマフラーから出る排気ガスを嗅いでいた。
しかし、よくもまぁ、そんなバカなことをしていたもの・・・
鼻がどうかしてる前に頭がどうかしていたとしか思えない。
ひょっとして、今の自分がこんななのは、その後遺症なのかも?

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