特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

ダメ人間参上!(公開コメント版)

2015-10-22 08:57:41 | 特殊清掃 消臭消毒
秋も深まる中、このところは気持ちのいい晴天が続いている。
四季折々の景色はどれも美しいが、秋の景色もまた格別。
清んだ青空に自由な雲、紅黄に染まる街路樹、店頭に並ぶ秋の味覚、暖色に変わりつつある街の色・・・
何より、肌寒いくらい凛とした涼気が心地いい。

しかし、この秋を迎える前の天気はちょっと異様で、8月半ばから9月半までの約一ヵ月間、雨天曇天が続いた。
まるで梅雨のような気候で・・・いや、梅雨より梅雨っぽかった。
各地で大きな災害も起こり、何人かの人が亡くなり、多くの人が家や土地を失った。
ニュースにもならなくなったけど、今でも避難生活を余儀なくされている人は多くいるのだろう。
将来に希望を持てないでいる人も多くいるのだろう。

それがわかっているのに・・・
私は、仕事を放りだしてまで救援のボランティアに参加しようとは思わない・・・
酒肴を削ってまで金を差し出そうとは思わない・・・
自分さえよければそれでいい?
そういう風に、人の災難を他人事として遠目に見ているダメな自分がいる。
ただ、言い訳にも聞こえるかもしれないけど、社会における自分のポジションを維持することも間違いではないと思っている。
いつも通り働くことも、キチンと納税することもまた社会貢献。
社会福祉政策も人や税金で動かされているわけだから、間接的にでも、災害復興の一端の端の端の端・・・くらいは担えているように思う。

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素のまま(公開コメント版)

2015-10-14 08:30:04 | ゴミ屋敷 ゴミ部屋
不特定多数の人と関わるのが私の仕事。
そして、一仕事が終われば、その関係は解消される。
不動産業者や建築業者等の担当者の中には、仕事柄、複数回に渡って関わりを持つこともあるけど、原則として一期一会。
大方の場合、
「二度とお目にかかるようなことはないと思いますし、お目にかかるようなことはないほうがいいですから・・・」
と、ちょっと切ない挨拶をもって関係は終了する。

現場によって、関わる期間はまちまち。
一回(一日)限りで終わることもあれば、数日から数週間、長いときは数ヶ月に及ぶこともある。
過去には、特殊清掃・消臭消毒・家財撤去・内装改修工事をやった現場で、関係が一年くらい続いた依頼者もいた。
そうなってくると、その関係は、「客と業者」というより親しい友人みたいなことになり、故人との思い出、人生観、悩み事等々、仕事には直接関係のない話も多くなる。
そして、仕事が終わると、「もう二度と会うことはないだろう」とわかったうえで、お互いに「ありがとうございました」と労いあって別れる。
そうして、少し寂しいような、少しあたたかいような余韻だけを残し、またアカの他人に戻るのである。

そんな仕事においては、残念ながら、苦手な(嫌いな)タイプの人とも遭遇する。
いくつかはブログにも登場させたが・・・
代金を踏み倒す人、
契約を交わした後で追加作業をサービスでやらせる人、
契約通りの作業をしたにも関わらず、終わった後で値引きを要求する人、
仕事を依頼するつもりもないのに、現地調査をさせてアドバイスだけ求める人、
現地調査に呼んでおいて約束の日時に現れずスルーする人等々・・・
思い出すと頭にくるけど、こういう類の人が少なからずいるのだ。
そうは言っても、素のままの自分を曝け出して怒り散らすわけにもいかず、忍耐をもって穏便に事を治めるのである(ほとんど泣き寝入り)。

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ゼイゼイ(公開コメント版)

2015-10-09 16:10:43 | 生活保護
近年、症状がでることは稀だが、私は喘息もち。
発症したのは20代の半ば。
この仕事を始めて一年にもならない、ちょうど今頃の時季(秋)だった。

ある日の夜、何の前ぶれもなく、急に咳がではじめた。
それは次第にひどくなり、同時に、呼吸が困難に。
徐々に気管が細くなり、肺に力を入れて意識的に呼吸しないと、満足に息ができないくらいになった。

それからというもの、私は、毎日のように夜になると咳と呼吸困難を発症。
そんな夜が何日か続き、苦しさは日に日に増し、さすがの“病院嫌い”も降参。
当時は(今も?)、休みなんてほとんどとれない状況で、仕事の合間をみて会社近くの病院に行ったのだった。

そこでだされた診断は「喘息」。
ただ、一口に「喘息」といっても原因は色々あるらしく、とりあえずアレルギー検査。
しかし、極端に反応するアレルギー物質は発見できず、原因をつきとめることはできなかった。

しかし、素人判断だけど、何となく自分では原因がわかっていた。
それは、精神的ストレス。
当時の私は、仕事のプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。

私は、この仕事を始めて間もない駆け出しで、まだ、素人に毛がはえた程度の知識と技術しか持ち合わせていなかった。
しかも、社会経験も人生経験も浅い若造。
そんな私に任された(押し付けられた?)のは、本来ならベテランでないと担えないような役割と仕事だった。

そんな仕事環境にあって、私は、なかなか上から期待されているような成果をだすことができず。
更には、周囲の“大人達”は私に冷ややか。
そんな日が続き、次第に精神はまいっていった。

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思秋期(公開コメント版)

2015-10-05 09:05:47 | 遺言 遺書
いつの間にか、もう10月。
長く思えた猛暑の夏はとっくに過ぎ去り、季節は既に秋。
空は高く澄み、樹々は落葉・紅葉がすすみ、風は涼しさを増している。

春秋は、本当に身体に優しい季節。
春暖 秋涼・・・それを感じられるだけででも気持ちが和む。
特に、4月・10月は、“暑からず 寒からず”で一年の中でもっとも過ごし易い時期ではないだろうか。
今は、その10月。
この短い秋涼を心身に沁み込ませて、新たな鋭気を養いたいところである。

とはいえ、恒例の?冬欝の季節はもうすぐそこ。
昨季はチビ犬の死がそれを吹き飛ばしたが、一昨季の秋~冬はかなり苦しい思いをした。
そんなのは懲り懲りなのだが、残念なことに、今現在、嫌な予兆がある。
何となく、心身が重くなってきている。
そして、思考がマイナスへの偏りをみせてきているのだ。

この時季、肉体的に現場作業が楽になる分、重度の肉体疲労は起こりにくい。
しかし、時間に余裕ができるせいか、余計な思い煩いが頭を占めてくる。
かつて、「心の闇」と称していたものだが、これが厄介。
死人や死体現場に遭遇してイキイキ(?)するのも大問題だけど、私にとってはこっちのほうも大問題。
せっかく、自分を労うことができる季節がやってきたというのに、精神がダウンしてしまうなんて、まったく皮肉なものだ。

悪化してくると食欲も落ち、好きな酒も飲みたくなくなる。
大したことはやっていないのに、倦怠感に襲われ身体が重くなる。
何も起こっていないのに、虚無感に襲われ精神が重くなる。
ここ一年近く標準体重の維持に努め、一日でも多くの休肝日を確保することに努めている私にとって食欲・酒欲の減退は、肉体にはいいことのように思えるけど、健康にいいわけはない。

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